壁はどうなる?「またトラ」でメキシコは大揺れ 移民、関税、麻薬問題標的になる可能性大
7月のフォックス・ニュースとのインタビューで、メキシコの麻薬カルテルに対して軍事力を行使する用意があるかどうか尋ねられたトランプは「もちろんだ」と答えた。「メキシコは本当に早くこの問題を正さなければならない」。
ワシントンに本部を置くシンクタンク、インター・アメリカン・ダイアローグの代表であるレベッカ・ビル・チャベスは、このような動きはアメリカとメキシコの関係にとって「極めて有害」であると指摘する。
商業的関係だけでなく、アメリカ行きの移民やフェンタニルなどの麻薬の流れをコントロールする努力も含め、両国間のすべての協力関係を危うくしかねないと同氏は言う。
メキシコ「麻薬の流入は止められない」
メキシコ当局は、自国の主権侵害は許されないと警告している。
「我々は尊重されるべき国だ」と、メキシコ外務省の北米担当トップ、ロベルト・ベラスコ・アルバレスは昨年、ニューヨーク・タイムズ紙にこう語った。「我々は誰の植民地でも保護国でもない」。
また、カルテルへの軍事攻撃やカルテル指導者の暗殺が、アメリカへの麻薬流入にほとんど影響を与えないかもしれないと警告する者もいる。数十年にわたるラテンアメリカの麻薬戦争では、同じような取り組みが何度も繰り返され、新たな供給者が麻薬取引に参入する道を開いてきた。
チュレーン大学の政治学教授であるクリストファー・フェットワイスは、「何人かの生首をポストの上に置くか、21世紀の世の中でそれに相当するようなことができるかもしれない」と話したうえで、「それによって麻薬の流入を止めることはできないだろう」と語った。