たかがニキビで「救急搬送」女子大生を襲った悲劇 抗菌薬で生じた"アナフィラキシー"の顛末とは

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
■総合診療かかりつけ医・菊池医師の見解

総合診療かかりつけ医で、きくち総合診療クリニック院長の菊池大和医師によれば、「薬によるアナフィラキシーを起こす人はときどきいます。早苗さんのケースと同様、抗菌薬によるものが多いです」とのこと。

抗菌薬にはいくつか種類があるが、その中でもとくに「セフェム系」「ペニシリン系」で起こりやすいことがわかっているという(参考までに、早苗さんが今回服用した『ミノサイクリン』は、テトラサイクリン系抗菌薬の仲間)。

アレルギー体質の人は要注意

アナフィラキシーは、特定の物質に対して免疫が過剰に働くことで起こる。そのスタートは原因物質(アレルゲン)が体内に入り、それに対する免疫が構築される「感作(かんさ)」だ。感作が成立したあと、次に原因物質が体内に入るとアレルギー反応が引き起こされる。

「このため、初回の服用でアレルギー反応が起こることはなく、出る場合は2回目ということが多いのです」(菊池医師)

また、過去に薬によるアレルギーを起こした人は、別の薬でも起こりやすいので注意が必要だ。花粉症や喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を持っている人も、薬によるアレルギーが起こりやすい可能性があると菊池医師は感じている。

ちなみに、早苗さんが7年前に感染したEBウイルスに使われることが多いペニシリン系の抗菌薬も、前述したようにアレルギーが出やすいことが知られている。早苗さんが高校1年のときに経験したじんましんも、おそらく、このケースだと考えられるそうだ。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事