「肌あれとかよく起こすんです。だから、いつも診てもらっている皮膚科の先生のところに行きました」と早苗さん。
帰宅したのは昼ごろ。
食事をとったあと、薬を服用。部屋に戻ると眠気が襲ってきた。大学はその日は夏休みで、アルバイトもなかったため、「疲れたし、ちょっと昼寝をしよう」と、横になったという。そのとき手のあたりにわずかなかゆみを感じたが、あまり気にせず、そのまま寝てしまった。
目が覚めると予想外のできごとが…
それから小1時間――。
目が覚めると予想外のできごとが体に起こっていた。全身がかゆくてたまらないのだ。
「手や足先までかゆくて、体を見ると、全体が赤くなっていました。同時に少し息苦しさもあるような気がしました」(早苗さん)
体に起こった異変に驚いた早苗さんは、すぐに隣の部屋にいる母親に状況を伝えた。母親は「服用した薬の影響かもしれない」と、薬を購入した調剤薬局に相談するように助言。薬局に電話をすると薬剤師からも「薬の影響かもしれない」と言われ、「すぐに主治医と相談するように」とうながされた。
クリニックに電話をすると、診てもらった医師からはこう告げられた。
「薬をまずはストップして、様子を見てください」
「わかりました」と返事をして、電話を切った直後のことだった。早苗さんの体は、さらにとんでもない状況に陥った。
そのときの状況を早苗さんはこう話す。
「まず手足が動かせなくなり、立ち上がることもできなくなりました。ソファに横たわっていないと、耐えられない状態という感じでした」
しばらくすると、全身の異変に加えて、猛烈な吐き気と腹痛が襲ってきた。早苗さんは這いつくばってトイレに行き、お腹の中のものをすべて出したという。
吐くと少し気分はよくなったが、起き上がれない状態に変わりはない。
その頃、母親からの連絡を受けて急遽、父親が帰宅。娘の異変を目の当たりにしてことの深刻さを察知し、「すぐに救急車を呼ばないと!」と119番に電話した。