たかがニキビで「救急搬送」女子大生を襲った悲劇 抗菌薬で生じた"アナフィラキシー"の顛末とは

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市販薬も含め、薬の種類は多岐にわたり、誰もが何かの薬でアナフィラキシーを起こすことはあり得る。しかし、予期することは難しいため、まずは症状が出たときの対処法を知っておくことが大切だ。

万が一、症状が起こったら?

菊池医師によれば、薬によるアレルギーは服用後、30分~1時間以内に出ることがほとんどだが、なかには2~3日後に出る人もいる。

軽度のじんましんや、唇の腫れ程度の場合は受診先の医療機関にすぐに電話をして、指示を仰ぐ。場合によっては受診を指示されることもある。

調剤薬局に相談をする人が多いが、症状が出ている場合、薬剤師では患者さんに指示ができないので、医療機関が相談先として適切だという。そして、早苗さんのように苦しさや気持ち悪さが出ている場合は、血圧低下で重症のサインなので、救急車を呼ぶのが正解だ。

「再発防止策としては、お薬手帳にどの薬にアレルギーが出るかを明記し、受診の際は伝えること。なお、お酒と一緒に薬を飲むと症状が出やすいので禁忌です」と菊池医師。

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また、診療科にかかわらず、さまざまな病気を診てくれる、かかりつけ医が身近にいるとなおよい。

「薬にアレルギーのある患者さんにはどの医師も、処方に慎重になります。初めての患者さんに対してはなおさらそうですから、かかりつけ医がいいのです」(菊池医師)

なお、菊池医師が最近、よく遭遇するのが、サプリメントなどの健康食品が原因と思われるアレルギー症状の患者だ。高齢患者に多いという。

「『友達にすすめられて飲み始めた』という人が多いのですが、とくに持病がある人はトラブルが起こりやすい。服用前にかかりつけ医に相談をするのがベストです」(菊池医師)

サプリはもちろん、薬にはメリット、デメリットがある。そのことを理解の上、服用することを肝に銘じたい。

菊池 大和 きくち総合診療クリニック

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きくちやまと / Yamato Kikuchi

2004年、福島県立医科大学医学部卒。浜松医科大学附属病院にて初期研修医。磐田市立総合病院外科、国立がんセンター東病院呼吸器外科、湘南東部総合病院外科科長・救急センター長、座間総合病院総合診療科などを経て2017年、土日も診療を行う総合診療クリニックであるきくち総合診療クリニックを開業。小児から高齢者まで、救急医療も行い、あらゆる症状を診る「総合診療クリニック」が全国に広がることを目指し、啓発活動にも積極的に取り組んでいる。

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狩生 聖子 医療ライター

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かりゅう きよこ / Kiyoko Karyu

1966年神奈川県生まれ。立教大学経済学部卒。OA機器商社に勤務しながら週刊誌での執筆を始め、フリーランスライターとして独立。現在は健康分野(健康、医療、医学部教育など)を中心に書籍の企画・編集、取材、執筆をしている。著書に「ぐっすり眠る!37の方法」 (宝島社新書)など。

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