「迷惑外国人」に怒る日本人が知らない問題の根因 電車内でダンスする動画が大炎上…なぜ多発する?

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しかし、この対応はいささか穏当すぎると言わざるをえない。できれば波風を立てたくないという底意が透けて見える。ルール違反は許さないというメッセージを伝えるためにも、ペナルティの金額をもっと高く設定したうえで、荷物が置かれてあるときは、否応なしに強制移動するくらいの対応をしてもいいのではないか。

2に対しては、これくらい断固とした姿勢を見せるべきだろう。

新幹線
新幹線の特大荷物スペースに関する案内(画像:JR東海ホームページより)

相手が察してくれることを期待してはいけない

1、2いずれの場合においても、重要なのは自分たちの要求や考えをはっきり相手に伝えることである。

そもそも日本には暗黙のルールが多くあり、「いちいち言わなくてもわかるだろう」というのが日本人のコミュニケーションのベースにある。そして、相手が気づいてくれることに過度な期待を持ってしまう。

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ただ、このやり方はインバウンド客には通じないと思ったほうがいい。同質性がきわめて高い日本と違って、さまざまなバックボーンを持つ人が混在する社会では、はっきり、きっぱり伝えるのが基本だ。自分の意思を明確にしないと誤解が生じるため、何でもストレートに伝えるのがあたり前の社会環境だからだ。

「私が考えていることを察してよ」とばかり、相手の気づきに期待するコミュニケーション方法には馴染みがないのだ。

だから私たちは、迷惑外国人に対してはっきり「NO」を突き付けたほうがいい。自分たちが何を大切にしていて、何をしてほしい(してほしくない)と思っているのか、しっかり言葉で伝えるべきだ。

「言わなくてもわかるだろう」と考えていたら、いつまでも行き違いが続くことになる。迷惑行為はこれからも際限なく繰り返されるだろう。言い方を変えると、私たちの“察する文化”が迷惑外国人を助長させているのだ。

【写真を見る】「迷惑すぎる!」と批判が殺到…電車内で踊り狂う外国人
千葉 祐大 人材コンサルタント/一般社団法人キャリアマネジメント研究所 代表理事

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ちば ゆうだい / Yudai Chiba

1970年生まれ。花王株式会社を経て、2006年に外国人材関連のコンサルタントとして独立。異文化対応に悩む経営者やビジネスパーソンに、外国人材のマネジメントを指導する研修コンサルティング業務を始める。現在はこの分野における第一人者の地歩を確立。全国にクライアントを抱え、企業研修、セミナー講師としても年間80回以上登壇している。最新刊に、『今日も異文化の壁と闘ってます 違いを越えて仲間になる!外国人材マネジメントのツボとコツ』(三笠書房、2024年11月発売)

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