「迷惑外国人」に怒る日本人が知らない問題の根因 電車内でダンスする動画が大炎上…なぜ多発する?
しかし、この対応はいささか穏当すぎると言わざるをえない。できれば波風を立てたくないという底意が透けて見える。ルール違反は許さないというメッセージを伝えるためにも、ペナルティの金額をもっと高く設定したうえで、荷物が置かれてあるときは、否応なしに強制移動するくらいの対応をしてもいいのではないか。
2に対しては、これくらい断固とした姿勢を見せるべきだろう。
相手が察してくれることを期待してはいけない
1、2いずれの場合においても、重要なのは自分たちの要求や考えをはっきり相手に伝えることである。
そもそも日本には暗黙のルールが多くあり、「いちいち言わなくてもわかるだろう」というのが日本人のコミュニケーションのベースにある。そして、相手が気づいてくれることに過度な期待を持ってしまう。
ただ、このやり方はインバウンド客には通じないと思ったほうがいい。同質性がきわめて高い日本と違って、さまざまなバックボーンを持つ人が混在する社会では、はっきり、きっぱり伝えるのが基本だ。自分の意思を明確にしないと誤解が生じるため、何でもストレートに伝えるのがあたり前の社会環境だからだ。
「私が考えていることを察してよ」とばかり、相手の気づきに期待するコミュニケーション方法には馴染みがないのだ。
だから私たちは、迷惑外国人に対してはっきり「NO」を突き付けたほうがいい。自分たちが何を大切にしていて、何をしてほしい(してほしくない)と思っているのか、しっかり言葉で伝えるべきだ。
「言わなくてもわかるだろう」と考えていたら、いつまでも行き違いが続くことになる。迷惑行為はこれからも際限なく繰り返されるだろう。言い方を変えると、私たちの“察する文化”が迷惑外国人を助長させているのだ。
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