「先延ばし」をどうしてもやめられない人の頭の中 怠惰や無能ではない…内なる完璧主義が原因に

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日々の暮らしには、洗濯、洗い物、無数の家事など、片づけなければならない細々とした仕事がたくさんあります。この種の仕事に忙殺されるのは、何かをやり終えると、それが些末なことであっても、良い気分になれるからです。たとえば洗濯物は、映画「グレムリン」のモグワイのように増えていきますが、その山を仕分けして、すっかり片づけると、少量のドーパミンが放出されます。それと同等のドーパミンを、1万語のレポート、売り上げ目標、KPI (重要業績評価指標)などで得るのは難しいでしょう。

もっとも、洗濯物を片づけて得られる満足感はほんの一瞬で消えてしまいます。そしてあなたは、本当にしなければならない仕事の方はまったく進んでいないことに気づくのです。

自分の行動パターンが、計画的な先延ばしのように適応的なものか、それとも不適応なものかを見分ける簡単な方法があります。それは、次のように自問することです。

「これは自分にどう役立つだろう?」

あるタスク(メールが届いたらすぐ返信するようなこと)を前にして、少しでも躊躇するようなら、そのタスクは他の人が片づけてくれる可能性が高いでしょう。あなたはそれを放っておいていいのです。ハイテクが生活の邪魔になっていることを、私たちはしばしば話題にしますが、「これは自分にどう役立つだろう?」と自問すれば、すぐ返信する性質が自分の役に立っているのか、それとも、スモール・トラウマから目を逸らすために忙しくしているだけなのかが見えてきます。

そう自問することは、目標に追われる社会に生きる誰にとっても有益であり、完璧主義と先延ばしが自分のプラスになっていないことを教えてくれます。実のところ、このスモール・トラウマの症状は燃え尽き症候群につながりやすいので注意が必要です。

燃え尽き症候群の兆候

2019年、「燃え尽き症候群」が世界保健機関(WHO)の健康と病気のバイブルである「疾病及び関連保健問題の国際分類」に初めて記載されました。つまり、燃え尽き症候群はごく最近になって、ようやく公式に認められたのです。奇妙に思えるかもしれませんが、目に見えない病気にはよくあることです。 医学と実践の歩みは遅く、人々の経験に追いついていないのです。

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