わが子の潜在能力を十分に高める、言葉のかけ方 前向きな行動を起こすように促すのがポイント

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これに対して、「あなたのおかげで」と言うと、「あなたのおかげで失敗した」という言い方には絶対になりません。

現実には「あなたのために」と言う親が多いのですが、気をつけなくてはいけません。「あなたのおかげで」と言うことによって、子どもはますます期待に応えようとします。その結果、潜在能力が育つのです。

ですから、子どもに対する感謝の時間を意識的につくるようにすることが大事です。

親は先生の悪口を決して言ってはいけません。

悪口を言うと、子どもたちは先生が必ず嫌いになります。先生が嫌いになると、勉強もしなくなります。だから、子どもには「あの先生はこういうところが素晴らしいんだよ」と言うようにして、先生の美点を教えるようにしてください。

先生を嫌いな子どもはたくさんいますが、それは親が悪口を言っているせいでもあります。親が先生を尊敬していないという姿勢が子どもに伝わると、それは子どもの先生の見方にも間違いなく影響します。

学校で全力を尽くすことが大事

たとえば、今は朝寝坊して遅刻することが先生にどれほど失礼に当たるかを教えていない親がたくさんいます。だから、平気で朝寝坊をして学校に遅れる子がたくさんいるのです。

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そういう子どもの親は、大体先生を尊敬していません。

勉強は塾でやらせるからいいという考えなのかもしれませんが、学校は子どもにとって一番大きな学びの場です。そこで全力を尽くせなければ、塾でいくら頑張ったところで、自己保身の小さな目標しか掲げられないような子になってしまいます。

少なくとも、桁外れの潜在能力を発揮できるような子には絶対になりません。

子どもを本当の勉強好きにしたいと思うのなら、先生の悪口は禁句です。

以上、挙げてきたようなことは日常生活の中でできることですので、良い習慣として子どもの身につけ、そして親子で実践していくことが大事です。習慣化することによって、潜在能力の発揮を妨げる自己保存の本能を抑制することができるようにもなります。

林 成之 日本大学名誉教授

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はやし なりゆき / Nariyuki Hayashi

昭和14年富山県生まれ。日本大学医学部、同大学大学院博士課程修了。マイアミ大学医学部、同大学救命救急センターに留学。平成3年日本大学医学部附属板橋病院救命救急センター部長に就任。27年より同大名誉教授。脳科学をスポーツに応用し、北京オリンピック競泳日本代表の北島康介選手らの金メダル獲得に貢献した。脳低温療法を開発し国際学会の会長も務めるなど、脳蘇生治療の第一人者としても知られる。著書に『<勝負脳>の鍛え方』(講談社現代新書)、『脳に悪い7つの習慣』(幻冬舎)などがある。

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