「我が子を他人と比較する親」の特徴と3つの対策 なぜウサギは負けたのか?なぜカメは勝った?

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しかし、もし他者と同じゾーンに入っていなければどうなるでしょうか?

得てして、自分の子どもの劣っている部分が気になるものです。親は、周囲と同じゾーンに入りたいために、その欠点や短所を正そうと子どもに日々小言を言います。その結果、子どもが親の期待する状態とは真逆の状態になっていくことは珍しくありません。こうして劣等感が生み出されるわけです。これが、今の横山さんの状態です。

子どものよい部分や成長に目を向ける

では、今後、横山さんはどのようにしていけばいいでしょうか。

方法は3つあります。

<比較してしまって困っている人への3つの対応策>

(1) 自分の子の長所にフォーカスする

先程のウサギとカメの寓話のように、他者との比較ではなく、ゴールを目指して歩む方法です。そのためには、子どもの長所を見ていく必要があります。人を伸ばす最大の法則である「長所をさらに伸ばす」という戦略です。長所は人によって異なることが多いため、比較のしようがありません。ちなみに「長所とは、人に言われなくても自主的に行い、難なくこなしてしまうこと」をいいます。そして自分では「できる!」という自覚がないのが特徴です。

そこで、子どもの長所がいかに凄いことであるかを事ある度に伝え、それを応援していくスタンスを取ります。先述のカメであれば、ゆっくりだけどもコツコツと一歩一歩、歩みを止めないことが長所でしょう。

子どもの場合、例えば、運動が好きであれば運動を伸ばし、ものづくりが好きであればそれを伸ばし、応援していきます。長所は何でもいいのです。能力だけでなく特徴でも構いません。そして、長所をさらに伸ばしていくと、短所はその後“自己修正”してくる可能性が高くなります。なぜなら、長所が伸びることで心に余裕が生まれ、もともと自覚している短所を是正しようとするからです。

例えばものづくりが長所の子に、のびのびと、ものづくりをやらせていくと、やがて自分から学校の勉強をするようになるなどです。信じられないかもしれませんが、かなりの確率でこのようになっていきます。ただし途中で、親が他の子どもと比較して欠点、短所の指摘をしなければの話ですが。

(2)自分の子どもの1年前と今を比較する

比較しないことはどうしても難しいのであれば、比較することを逆に利用するのがこの方法です。しかし、比較と言っても、他者との比較ではなく、その子の時系列での比較です。

例えば、1年前の我が子と今の我が子を比較してみてください。身長や体重など身体的部分が成長したことは1年前の写真を見ればわかりますが、内面的部分を見ていきます。4年生の我が子であれば、昨年は3年生です。3年生のときの学力と今の4年生の学力では、今のほうが間違いなく高いはずです。今の4年生の中での他者と比較ではなく、過去のその子と比較するのです。すると成長していることが実感できるはずです。

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