今こそ言いたい「日本経済を衰退させた真犯人」 選挙で日本経済の未来が議論されない異常事態

✎ 1〜 ✎ 129 ✎ 130 ✎ 131 ✎ 132
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そこで、日本経済の長期的な動向を理解するために、図表に、ここでは、1人当たりGDPの日米比の長期的な推移を示そう。これを見ると、日本経済の長期的な衰退が明らかだ。

このグラフは、1990年代以降に、日本経済が長期的衰退に陥ったことを示している。そして他方において、1980年代には不調に陥っていたアメリカ経済が、その後IT革命という新しい技術を生み出したことによって力強い成長を続けたことを、雄弁に物語っている。

アメリカと比べて5割も豊かだった日本

1980年代の後半には、日本の1人当たりGDPは、実にアメリカの1.5倍になっていた。これは、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われていた時代のことだ。だが、2023年における日本の1人当たりGDPは、アメリカの約7割程度でしかない。

いまとなっては、日本がアメリカより豊かであり、しかも5割も豊かであった時代があったことが信じられない。しかし、このような時代は、実際にあったのである。

その後、中国の工業化とIT革命という世界経済の大きな変化によって、日本の相対的優位性が崩され、日本とアメリカの1人当たりGDPの比率は低下した。

それでも、2000年における値は1を超えていた。2000年は、沖縄でサミットが行われた年だ。日本は、この時、参加国中で最も豊かな国だったのである。

ところが、2023年に広島で行われたサミットにおいては、日本の1人当たりGDPは参加国中で最低になってしまった。この20数年の間に、極めて大きな変化があったのだ。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事