ベースフード、赤字拡大と下方修正でも株高の背景 通期予想は黒字を死守、意外な人物が大株主に

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また、今上期には即席焼きそばやパンケーキミックスなどの新商品も発売したが、これらの小売店への導入も想定を下回った。

カビ騒動の影響もあった。同社は昨年10月、一部製品でカビが発生したため、ベースブレッド計76万4581袋を自主回収した。問題は小売店だ。スーパーやコンビニが導入するにあたり、どうしても「商品にカビが発生した会社」という印象がつきまとう。

より安全なパッケージへ変更し、パン生地も菌の付着や包装の破損が生じた場合でも、菌の増殖を抑制できるよう改善。信頼の回復に努めたが、小売店への導入は想定を下回った。

前下期はカビ騒動以降、商品の安全性の確保を優先し、商品のリニューアルや新商品の発売を控えた。その影響で主力の自社ECの定期購入者数は一時的に減少したものの、足元では回復している。

キャッシュは8月末時点で18.1億円へ増加

懸念されていたのは業績だけではない。とくに期初はキャッシュに対する懸念が生じていた。前2024年2月末時点のキャッシュは14.3億円で、2023年2月の22.9億円から8.6億円減少した。営業キャッシュフローも赤字が続いており、ただちに底を突くことはないが、対処が必要だった。

そこで今上期、ベースフードはメインバンクの三菱UFJ銀行から短期借入金4億円と長期借入金5億円を調達、キャッシュは第2四半期の8月末時点で18.1億円へと増加している。

短期借入金が9億円、1年以内に返済予定の長期借入金が1.6億円と計10.6億円を1年以内に返済する必要があるが、ひとまず足元のキャッシュへの懸念は拭われたといえそうだ。

橋本社長は「財務状況については心配をおかけしていた。長いスパンの計画も出した上で(銀行から)信用していただいて借入金を借りている。一過性のことで信頼が揺らぐことは少ないと考えている」と説明する。

関連して懸念が残るのは債務超過の可能性だ。第2四半期時点の純資産は3.9億円で自己資本比率は10%まで落ち込んだ。中間期決算は5億円の最終赤字で、現状のペースでは期末にも債務超過に転落するおそれがある。

この点について会社側は、第3四半期以降、営業黒字を積み上げて自己資本比率を引き上げる方針だ。今期は上場来初の黒字化を見込んでおり、下方修正後も黒字化の見通しは維持した。

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