中小企業が「太陽光発電」を導入するメリット3つ "脱炭素経営への無関心"は資金調達にも不利に
敷地内に太陽光パネルを設置する電力の調達手法には、①設備を自社で所有する購入方式、②リース方式、③オンサイトPPA方式の3つがあります。このうち、特に中小企業に向いているのが、①購入方式と、③オンサイトPPA方式です。
自社が所有する敷地内の建物屋根等に発電施設を設置し、発電した電力を自家消費する手法です。前述した脱炭素効果や緊急時対応に加えて、
というメリットが挙げられます。一方のデメリットは、やはり、
ことなどです。自社所有ですから、つくった電気はタダで使えます。初期投資を含めた発電コストについては、後述します。
需要家(企業)は、太陽光パネルなどを設置する場所を提供し、そこに第三者が設備を設置して、発電した電力を長期間にわたり使用する契約を結ぶ手法をコーポレートPPA(Power Purchase Agreement=電力購入契約)といいます(図表2)。欧米では主流となっている手法で、日本でも急速に拡大しています(以下、この手法を「PPA」とします)。
たとえば、自社の事業所や工場の屋根に太陽光パネルを設置する場合、PPAでは第三者(エネルギーサービス会社)が無償で発電施設を設置し、電力の購入契約を取り交わして、需要家は使用する分の電気料金を支払います。通常、10年から20年の長期間の契約となり、その間、料金は原則として固定です。この自社の敷地内に設置する方式を「オンサイトPPA」と呼びます。
これに対して、敷地外の遠隔地などに設置された発電所から電気を購入する方式は「オフサイトPPA」と呼びます。電気を送る送電線を利用する費用(託送料)などがプラスされるため、オンサイトPPAに比べると電気料金は割高になります。
オンサイトPPA方式のメリットとデメリットをまとめておきましょう。脱炭素化に役立つことや緊急時対応は購入方式と同じですが、何より、
というのが大きなメリットです。逆に、デメリットとしては、
などがあります。また、契約内容が複雑になるので、締結時には慎重に精査する必要があります。
自家消費型太陽光発電にかかるコスト
購入方式の場合、電気料金はかからず、発電施設の設置費用はおおよそ次のように見積もることができます。