大統領選を左右するアメリカ「労働組合の現在地」 組織率が低下するも、その影響力は侮れない
公共部門が最も強くなっているアメリカの労働組合
――基本的なことを聞きますが、政治に対するアメリカの労働組合の影響力は、いまだに強いのでしょうか?
松井孝太氏(以下、松井氏) 影響力ですが、組織率が下がっていますので、20世紀半ばに比べると落ちているといえます。組織率は10パーセント、10人にひとりです。
ただし、大統領選挙という文脈でいいますと、接戦州の結果次第ということもあるので、ミシガン州とかペンシルベニア州の労働組合が、実際の数以上の影響力や存在感を示すことはあると思います。
わかりやすい例が、昨年のミシガン州などにおける自動車労働組合(UAW)や現在のペンシルベニア州における鉄鋼労働組合(USW)です。いま話題になっているUSスチールの本社はペンシルベニアのピッツバーグですので、ここの労働組合(USW)の意向も民主党はもちろんトランプも無視できないと思います。


















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