Netflix「タイプロ」非ジャニファンも虜にする訳 「まるで一般企業の採用面接のよう」との声も
そんなtimeleszメンバーの審査員ぶりには、同じく幅広い視聴者層から支持を得た『虹プロ』『日プ』とも共通する“審査者・指導者としての求心力”を感じずにはいられない。ステージ上の明るく華やかな姿とはまた違う、オーディションでの様子がファン以外の視聴者をも引き込む魅力を放っている。
「現役メンバーによる審査」が絶大な効果を発揮
先ほども少し触れたように、『タイプロ』と他の人気オーディション番組との大きな違いは、「timeleszメンバー自身がオーディション審査員を務めている」ことだ。そしてこの違いこそが、『タイプロ』独自のおもしろさを生む一因にもなっている。
通常、オーディション番組を見たあとの視聴者心理としては「候補生の努力や成長の過程を知り、デビュー後もグループを応援したくなる」のが王道の流れである。『タイプロ』の場合は、ここにもう1つ加わって「現メンバーと現グループのマインドを知り、これからのtimeleszを応援したくなる」という効果も期待できる。これはアイドルたちが自ら審査員を務めるからこそ生まれた、オーディション番組の新しい楽しみ方である。
2つ目に記述した「現メンバーと現グループのマインド」がどんな内容を指すかというと、たとえばepisode02の2次審査では、こんな場面が印象的だった。
審査中の質疑応答で、メンバーの佐藤勝利から応募理由を聞かれた候補生がいた。彼は、「僕とtimeleszの皆さん、そしてsecondz(timeleszのファンの名称)の皆さん、全員がまだ掴めていない“本物の景色”を掴みにきました」と回答。
これに対して菊池が、あなたがメンバーに加わることで見える“本物の景色”と、自分たちがこれまで見てきた景色の違いはなにかについていくつか質問を重ねると、候補生は徐々に答えに窮する。
菊池は、一連のやりとりで伝えたかったのは候補生の“言葉選び”であると告げ、「〇〇くん(候補生)と見る景色が“本物の景色”だとしたら、これまで見てきた景色はなんだったんだろうっていうのが、僕らだけじゃなくファンにもそういう気持ちにさせてしまう」「言葉1つが命取りになるってことを覚えておいてほしい」と諭した。
この場面からは、菊池やtimeleszの仕事に対する考え方や姿勢、プロフェッショナルとしてのアイドル像が、彼らをよく知らない視聴者にもクリアに伝わってくる。
また、候補生に対して抱いた印象を、濁さず直接本人に伝えるスタンスも、timeleszの誠実さを表していると感じた。先ほどの菊池のコメントを借りるならば、「言葉1つが命取り」な芸能人である以上、波風を立てずに言葉を呑み込むほうが安全という考え方もできるだからだ。
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