東大の2次試験に行けずに、受験を終えた山田さんは浪人を決断します。その理由としては、「自分の実力がわからなかったから」と答えてくれました。
「当時の自分は、東大に行けなかったら大学に行かない!という価値観だったのです。だから、その願いをかなえるために浪人をするのは必然でした」
大手予備校で浪人生活を送ることを決断した山田さん。「いきなり寮生活を離れてしまったら勉強しなくなる」という危機感を持っていたこともあり、この年も予備校の寮に入りました。
そのため、「勉強習慣は現役のときと変わらなかった」ようで、今ではこの選択に後悔をしていると振り返ります。
「私が受けていた集団授業は、『前年度ギリギリ東大に行けなかった人』を対象にしていたので、私みたいに箸にも棒にもかからない人は、最初からついていけない科目がありました。特に数学は板書に何を書いているのかがさっぱりわかりませんでした」
この年もほぼ成績は上がらず、河合塾の全統記述模試でも偏差値55くらいと、東大を目指すには厳しい成績でした。結局、この年も東大の理科2類に出願するものの、足切りに遭い、2次には進めませんでした。
「ほかにも大学を受けたのかもしれませんが、東大以外は行きたくなかったので覚えていません。センター試験の点数は前年より下がってしまい、6割後半でした。得意な科目と苦手な科目の差が激しくて、文系科目は8割くらい取れましたが、理系科目は3割くらいしか取れないものもありました」
3回の東大受験はすべて2次に進めず
この結果を受けて、2浪をする決意をした山田さん。自分に合う予備校を探し、個別指導の授業をしてくれる、とある塾に入学します。すると、その指導が山田さんに合ったそうで、成績が伸び始めました。
「市販の参考書を自分で進めて、わからないところを聞くことで効率よく偏差値が上がりました。河合塾の全統記述模試では、偏差値62くらいは取れるようになりました。得意な科目はさらに伸びて、苦手な科目でもやりがいを見いだし始めた1年でした」
しかし、この年もセンター試験は7割近くに終わり、3回の東大受験はすべて2次試験に進むことなく終わってしまいました。
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