2浪6留「医学部合格」更に待ち受けた"浪人生活" 医師免許のため勉強する日々、運命の出会いも

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この年の受験もうまくいかなかった山田さんは、落ちた理由を「勉強量の不足」と反省し、自身の姿勢を改めて、3浪目では妥協なく勉強をすることを誓います。

「とにかく学んだことは全部覚えようと思い、必死に勉強しました。勉強時間は前年の2倍くらいには増えたと思います。そうした姿勢もあって、じわじわと成績が上がっていったのですが、あと3問、合格まで届きませんでした。

この年が、本当の意味で、初めて人生で『失敗』を経験しました。いちばん本気で取り組んで落ちたので悔しかったですが、自分なりに努力した結果を受けて、悔しい思いができたという点で、人生最高の失敗でもありました」

4浪目に人生で大きな出来事が

こうして4浪目では合格できると考えていた山田さん。しかし、勉強を頑張っていた最中、大きな出来事が起こりました。それが、妻の妊娠でした。

「夏ごろに妻の妊娠が判明しました。もう『とにかく試験を頑張ろう』という状況ではなく、子どもが生まれてからも試験に受からなければ家族全員が路頭に迷うことになるので、とても危機感を抱きました。

妻の実家と私の実家で揉めることもありましたし、精神的にもとても疲れましたね。ただ、11月に入籍して、12月に子どもが生まれてからは、子どもがとても可愛くて、この子のためにもなんとか頑張らないといけないと思いました。前年の成績に、なんとか上乗せすることができて、合格できました」

こうして山田さんは、4浪目にして念願の医師免許を取得することができたのです。

大学受験と医師国家試験を合わせて合計で6浪6留を経験した山田さん。

彼に浪人して良かったことを聞くと、「本気で何かに取り組むということの意味に気づけたこと」、頑張れた理由を「家族の存在のおかげ」だと答えてくれました。

「大学受験のときの浪人は惰性でした。でも、医師国家試験に合格するための浪人では、妻に背中を押してもらって、人生に本気で向き合うことができました。それまでの自分はかっこ悪い姿を見せたくない人間で、這いつくばってまで真面目にやっている自分の姿を人に見せるのが耐えられませんでした。

でも今は、自分の大切な家族を守るのが人生の最優先事項なので、どれだけかっこ悪く見られても、何かを犠牲にしてでも、本気で物事に取り組もうと思っています。だから私は、浪人をきっかけにして出会った妻に、本気で生きることを教えてもらったと思います」

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