パーパス経営から「エシックス経営」に進化せよ 「多」律背反を解くための商売の基本倫理とは
三位一体は、経営の現場の至るところに仕掛けていかなければならない。たとえば、「パーパス」という未来と「プラクティス」という現実の間の架け橋としての「プリンシプル」の必要性は、前述したとおりだ。これを筆者は「シン3P」と呼ぶ。
同様に、ドイツの哲学者イマヌエル・カントが『実践理性批判』の中で説く「理性(IQ)」「感性(EQ)」「悟性(JQ)」を新結合する「シン3Q」。空海が説く「身密(動)」「口密(言)」「意密(思)」を結ぶ「シン3密」。「たくみ」を「しくみ」に落とし込むための「ひきこみ」(「シン3み」)など。詳しくは、近著『エシックス経営』で論じている。
デジタル化が進めば進むほど、デジタルな発想を超える視点が求められる。それはアナログの世界に戻ることではない。デジタルという2分思考を超える3点思考を目指さなければならない。それを筆者は「シン三位一体」思考と呼ぶ。
和の伝統の中にこそイノベーションがある
そしてそれは、「和」を基軸としてきた日本の伝統的なイノベーションの流儀にほかならない。外の知恵にすがるのは、そろそろ終わりにしよう。答えは、私たち自身の中にあるのだ。
一方で、それらはいずれも大きくバージョンアップしていかなければならない。伝統に安住するのではなく、伝統の中からイノベーションを生み出していく必要がある。そしてそれが、私たちの明日の伝統になり、さらに次のイノベーションを生み出す母体となるはずだ。
エシックス経営の未来は、私たち1人ひとりが自信と覚悟をもって、大きく踏み出していけるかどうかにかかっている。
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