なぜ今、企業経営に「倫理」が求められるのか 「パーパス経営」の理想と現実をつなぐ判断軸

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エシック経営 コンプライアンス
「コンプライアンス過剰」に走ると、できるだけリスクを回避しようとする。「エシックス経営」は、正しいリスクを積極的にとっていくときにこそ、本領を発揮する(写真:World Image/PIXTA)
数年前から企業経営の分野で「パーパス」が注目されている。ミッション、ビジョン、バリューの上位概念として、「自分は何のために存在するのか」、そして、「他者にとって価値のあることをしたい」という信念を意味している。組織や企業の存在意義を問い直す言葉だ。
立派なパーパスを掲げる企業は増えたものの、その実践に行き詰まっているところが出てきている。それは「パーパス」というきれいごとを実践するには、倫理(エシックス)を日々の【行動原理】にまで落とし込むことが求められていないためである。
それでは、倫理とは何か、そして、どのように企業経営に取り込んでいくべきか。「パーパス経営」ブームの火付け役でもあり、日本を代表する企業のアドバイザーを長く務めてきた名和高司氏が、このたび『エシックス経営』を上梓した。
以下では、パーパス経営に続く、エシックス経営の考え方を企業の事例とともに紹介する。

コンプライアンスを超えて

企業の不正・不祥事が後を絶たない。2015年のコーポレートガバナンス改革元年から10年近く経ってなお、残念な事態が続いている。いや、むしろ、悪化しているといってもよい。なぜだろうか?

エシックス経営: パーパスを経営現場に実装する
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