米金融関係者が石破政権に"熱望"していること 株高と経済復活のカギを握るのはなんなのか
株式や為替市場が大きく変動したことに対する対応は、現時点でのキーマン、経済再生担当相の赤澤亮正氏の存在がある。赤澤氏は、石破氏が検討している経済対策について"イシバノミクス"と表現している。
アベノミクスに距離を置いてきた石破氏も、岸田氏や赤澤氏の意見を聞かざるをえないのだろう。石破政権も経済界の声やマーケットの状況を鑑みて、軌道修正を重ねることが予想される。
日本に期待することは?
渡米中の取材では、「いまは、日本株がブームだから」という暗に含みを持たせた声に何度も遭遇した。では、単なるブームに終わらせずに、本腰を入れた長期的な日本市場への資金流入には何が必要か。
アメリカのファンド関係者は、「日本に期待する点は賃上げ」と即答。「人への投資が実現すれば日本企業の成長に期待が持てる」と語る。
日本への投資を考える際には、財源にも焦点が当たるが、ファンド関係は「財源に対する危機感があるのはアメリカのほう。日本の国債の多くは国内で保有しているため、日本の財源に対して懸念材料は少ない」と答えた。
また、日本が次のステージ、つまり、デフレから脱却して前に進むには過去の検証が必須である。これについて、米国野村証券のシニア・エコノミストの雨宮愛知氏はこう語る。
「日本は人口減少というネガティブな部分に焦点が当たるとセンチメントが悪化しやすくデフレからの脱却には不確実性もある。ただし、人手不足を背景に企業の賃金・価格設定行動の変化が見られているのも事実。こうした変化を確実なものとする努力が求められる」。そのため、金融・財政政策には慎重な判断が求められる。
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