石破新政権にいっそ忘れてほしい「デフレ脱却」 今や国民が求めているのは「インフレ脱却」

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金融所得課税に法人増税、地方創生・・・これらに共通する石破氏の政治思想と、「インフレ税」が重しとなる現状は食い違う。

経済政策の石破カラーはいつ出てくるか(写真:JMPA)
※本記事は2024年10月4日6:00まで無料で全文をご覧いただけます。それ以降は有料会員限定となります。

自民党総裁に選出された石破茂氏は首相に就任する前に、衆議院を10月9日に解散し、10月27日に投開票を行う方針を表明した。発足直後で新政権に新鮮味があること、野党の一致協力が進まないうちに勝負をつけたいことなどが決断の主たる動機だろう。

現状、石破氏の経済政策観について尋ねられることが多くなっているものの、総選挙前に本音の話ができるはずもない。補正予算編成などを通じて「石破カラー」が出されていくとすれば、それは総選挙後の話になるだろう。

補正予算の焦点はほぼ間違いなく物価高対策であり、これが拡張財政路線、ラフに言えば単なるバラマキ型にならないのかといった点に関連して、政権のカラーが判断されることになりそうだ。

金融所得課税は再び「お蔵入り」となるのか

もっとも、石破政権の基本路線が「アベノミクスの巻き戻し」になるのだとすれば、財政・金融政策は引き締めに傾斜した姿になる。それは金融政策であれば日銀の追加利上げ黙認であり、財政政策であれば各種増税措置の検討が想定される。

前者についてはすでに「日銀に委ねる」という石破氏の姿勢が周知されており、今後も新しい発言はないのだろう。だが、後者については岸田政権時代から税制調査会での議論を通じて法人税増税の示唆が始まっていることが思い返される。

石破氏は折に触れて「税制は税調に委ねるもの」と発言している。これと照らし合わせれば、年末の税制改正大綱に合わせて法人増税に象徴される緊縮路線というカラーが出てくる可能性はある。

耳目を引く金融所得課税はどうなるだろうか。その企図するところはさておき、口にした時点で株価を道連れにする展開が見えている中、少なくとも総選挙が終わるまでは「税調に委ねる」とのスタンスが繰り返されるだろう。

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