「主体性のなさを露呈」石破首相が"変節"した事情 目立つ論功、「高市造反・茂木排除」で分断拡大
石破茂新政権が1日夜、発足した。石破氏は同日召集された第214回臨時国会の冒頭、衆参両院本会議で第102代首相に指名され、同夜、石破新内閣を発足させた。石破首相は同夜の初記者会見で、改めて「9日・衆院解散・15日公示・27日投開票」を表明。これにより、各政党・政治団体は「10・27衆院選」に向け、候補者擁立を急ぎ、政界は一気に「選挙一色」の様相となった。
石破首相による「解散断行」が、戦後最短となる政権発足から9日となったため、次期衆院選は「超短期決戦」になる。ただ、総裁選中に「国民の皆様にきちんと判断材料をお示ししてから信を問う」と繰り返してきた石破首相の“変節”に、野党側はそろって「手のひら返しのだまし討ち」と反発、自民提示の「7、8日代表質問・9日党首討論」にも同意せずに自民攻撃に徹する構えで、解散前から与野党全面対決となっている。
今回の石破首相の「決断」は、「森山裕幹事長らの強い説得を渋々受け入れた結果」(党幹部)とされる。ただ、首相就任前の「解散宣言」は“ルール破り”の批判は免れず、その際の石破首相の苦し気な口調や表情とも相まって、「国民の前に、主体性のなさを露呈した」(自民長老)との厳しい指摘も相次ぐ。
そもそも森山氏らの狙いは「新内閣のぼろが出る前の、ご祝儀相場での選挙戦」(同)だが、「石破首相の変節が、国民の不信を招いた」(閣僚経験者)ことは否定できず、大手メディアが実施した政権発足直後の世論調査でも、「発足時の支持率は過去最低レベル」となった。このため、「今後の選挙戦では、石破首相のトップリーダーとしての見識・資質が厳しく問われる」(政治ジャーナリスト)のは避けられず、石破首相は「いきなり“宰相生命”を懸けた正念場」(同)を迎えることになる。
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臨時国会が召集された1日、石破氏は党総裁として自民党本部に陣取り、新政権発足へ準備を進めた。これと並行して、岸田内閣は同日午前の閣議で総辞職し、前首相となった岸田氏は昼すぎ、官邸スタッフらの拍手の中、満面の笑顔で3年間の官邸生活に別れを告げた。
これを受け、石破氏は午後の衆参本会議で首相指名を受けた後、与党党首会談を経て首相官邸に組閣本部を設置、間を置かずに再任された林芳正官房長官が閣僚名簿を発表し、前後して閣僚内定組が順次官邸に呼ばれ、石破首相から訓令・指示を受けた。
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