2024年問題で加速、ファンドが仕掛ける物流再編 物流マッチングの老舗が上場廃止を選んだ事情

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トランコムは今年2月から5月下旬にかけて、複数のプライベートエクイティファンドと接触。その中で日本で豊富な実績やノウハウがあり、十分なサポートが得られるとの理由から、株式30.7%を保有する武部篤紀会長などの創業家とベインキャピタルが組む形でMBOが決まったという流れだ。

トランコムは業界でもユニークなビジネスモデルの会社だ。マッチング事業では「アジャスター」と呼ばれる社員たちが日々、人力でマッチングを行っている。全国51のセンターに約600人のアジャスターが在籍。荷主と運送会社の間に立ち、荷物情報と空きトラックの情報をマッチングしている。

全国1万3000社の運送会社と連携し、1日あたりの成約件数は約6000件。A地点からB地点へ運ぶシンプルな輸送だけでなく、複数の荷主の荷物を積む「混載」を工夫したり、リレー形式の輸送も組み立てたりする。

問われる出口戦略

今年に入り物流業界では、TOBによる買収合戦、創業家によるMBOや事業譲渡など再編の動きが活発化している。

ベインは国内で物流企業への投資実績は乏しい。何年後にイグジットするのか、出口戦略なども現時点では明らかにしていない。トランコム独自の強みを保ちながら構造改革を進め、明確な再成長の見通しを立てられるかが、今後のポイントになりそうだ。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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