2024年問題で加速、ファンドが仕掛ける物流再編 物流マッチングの老舗が上場廃止を選んだ事情

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ダルトンは保有目的について「発行者の株価が過小評価されており魅力的な投資機会であると考えて、発行者の株式を取得し長期的に保有する」と説明。さらに「株主価値の向上のため、トランコムの役員や取締役、ほかの株主等とコーポレートガバナンス、取締役会の構成、経営、事業、財務状況や戦略に関して、建設的な対話を行うことを求めていく可能性がある」ともしていた。

今回のMBOは、アメリカの投資ファンド・ベインキャピタルと組んで行われる。ダルトンも賛同している。TOB(株式公開買い付け)価格は9月17日の終値から約40%のプレミアムを付した1万0300円で、買い付け予定数の下限は350万8200株(所有割合37.37%)。買い付け期間は10月31日までで、MBOが成立すればトランコムは所定の手続きを経て上場廃止となる予定だ。

荷物量が少ない中、改革に苦戦

厳しい環境下で、トランコムは精力的に投資を進めている最中でもあった。物流センター運営事業では、自動車部品、日用品、菓子、加工食品など、業界ごとに複数社を集め、共同配送する取り組みを進めている。各地にセンターを構え、システムも統一し、より効率的で高度な配送を構築する狙いがある。

さらにはASEANを軸とした海外展開の加速、人材育成、DXの推進などについても投資が必要だった。

ただし、改革には多額の初期投資が必要となる。収益やキャッシュフローにマイナス影響が生じる可能性が高く、株価の下落リスクもある。そこで2023年9月頃から非公開化を実施して抜本的な改革を進めるべく、検討を重ねてきたという。

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