"時代遅れ"の「ファミレス」とくに厳しい店の正体 ガスト等の安い店より、中価格帯のほうがキツい?

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まず、ファミレスの一大チェーンであるガストの店舗数を見てみよう。

コロナ禍前では最大1390店舗だったが、2020年からコロナ禍の影響もあって、数が減少。以後も数をじわじわ減らし続けており、2023年12月期では1280店舗になっている(いずれも期末の数字)。

しかし、店舗数がじわじわ減っているとはいえ、である。実際、すかいらーくグループの業績を見てみると、客単価・客足共に伸びており、グループ内で圧倒的な店舗数を持つガストがその業績に貢献していることは間違いない。

ガストの写真
ファミレスでは「ガスト」「ジョナサン」を運営するすかいらーくだが、他ブランドへの業態転換が目立っている(筆者撮影)

また、すかいらーくグループは2025〜2027年の中期事業計画を発表したが、そこでは今後の既存店の方向として、「業態転換」は年平均で40店舗を見込むのに対し、「店舗改装」は年平均で300店舗の実施を見込んでいる。既存店をそのままリニューアルする方向に注力していく方向性だ。つまり、ガスト自体は以後もかなりの数が温存されていく。

実際、ガストはさまざま戦略を行っている。

例えば、ガストでは2023年にグランドメニューを改定しているが、ここでは「アルコールの全品値下げ」や「小皿、シェア商品の拡大」等を打ち出している。コロナ以後に復活してきた「ちょい飲み」需要を拡充させ、結果的には客単価の増加を狙う意図も見えるが、ただでさえ円安が急激に進行し、物価高が進む現在において「値下げ」に踏み切っている。

ガストのDX化
配膳ロボットやセルフレジなどのDX化を進めてきた、すかいらーく。秒単位で、会計や下げテーブルの発見速度を削減し、浮いた時間をサービス向上にあてている(決算説明会資料より)

また、こうした業績拡大の背景には、すかいらーくグループの店舗全店にわたって、ネコ型の配膳ロボットの拡充やセルフレジ導入などの、DX化を進めていることもある。

特に、配膳ロボットに関しては、2022年ごろから店舗への配備を増やしており、当初は人間が配膳をしないオペレーションに対して不安の声もあったが、低価格帯のファミレスであるガストについては、そこまでのサービスを求める声がなかったこともあり、かなり浸透している。

こうした戦略によって、ガストはかなり踏ん張っているといえそうだ。

意外と厳しいのは「ジョナサン」?

このとき、さまざまな決算関連の書類を見ていると、あることに気が付く。実は、すかいらーくグループの中でも、ガストより「ジョナサン」のほうが厳しいのではないか?ということだ。

ジョナサン
すかいらーくグループの中で、中価格帯のファミレス業態に位置するジョナサン(編集部撮影)
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