"時代遅れ"の「ファミレス」とくに厳しい店の正体 ガスト等の安い店より、中価格帯のほうがキツい?
ジョナサンが店舗として押し出すのは、こうした「食へのこだわり」である。それとともに、接客や店舗の雰囲気といった、付加価値的な要素もニーズとして求められるだろう。しかし、ここに一つ問題が生じる。
そもそも、「安さ」を訴求することの多いファミレスにおいて、ジョナサン的なポジションが中途半端なものになってしまっているのではないか、ということだ。
ガストであれば、商品の値下げやDX化をどんどんと進めて効率を上げることで、顧客としても満足のいく結果が得られる。消費者も、そこまでのサービスをそこに求めない。
一方、ジョナサンの場合、「ちょっとだけ高級」を押し出しているから、すぐすぐの値下げは難しいし、また、過度なDX化も顧客からしてみればジョナサンの雰囲気と合わないと思うかもしれない。「せっかくこれだけ払っているなら……」と思うのは、人情だろう。
これは主観に過ぎないが、ジョナサンの少し高級感を押し出す内装の中で、可愛らしいロボットが動いているのを見ると、どうもミスマッチな感じも否めないのである。
すかいらーくグループは全体としてDX化に取り組んでいるから、ジョナサンにおいては、店が本来目指す方向と、グループ全体の方向が乖離してしまう。
ロイホは好調だが、中価格帯の店は中途半端に?
逆に、他のファミレスはどうだろうか。
例えば、ロイヤルホストは、ジョナサンよりもさらに高価格帯のメニューが揃っている。店の方向性としても「脱低価格」路線を進めており、すでに2013年の段階で客単価は1170円に達している。
そしてロイヤルホストを見ると、配膳ロボットなどは導入されていない。店舗のサービス面での満足度を守るうえでは、これが正解なのかもしれない。
実際、ロイヤスホストを運営するロイヤルホーディングス2024年6月の中間決算を見ると、売上高・営業利益ともに過去最高を記録している。それだけが理由でないにせよ、恐らくこうした全体的な雰囲気作りに成功していることは指摘できるだろう。
以前、筆者はすき家の店舗を訪れ、その容器がすべてプラ容器になっている、通称「ディストピア化」をレビューした。その後、すき家の「ディストピア化」という言葉は、ほぼ一般名詞となり、こうした業務の効率化についてはさまざまな声があがった。
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