10代のころには勉強で、大人になってからも大切な仕事やなにか新しいことを始める前にいつも立ちはだかる「先延ばしグセ」。
ダラダラとゲームや動画などの気晴らしに時間を浪費することで後悔することが多いものの、娯楽をガマンすることでストレスになって、かえって集中できなくなるのでは……?
実は最新の心理学では「やらなければいけないことと、娯楽を同時に味わうほうが生産性は高い」という知見が発表されている。
全米で称賛されている『THINK FUTURE「未来」から逆算する生き方』の著者で心理学者のハル・ハーシュフィールド氏は、タスク処理や習慣づけには、好きと嫌い、面倒と楽しいものという正反対のものを組み合わせると、うまくいくと解説する。
「娯楽は勉強の邪魔になる」は時代遅れ
ペンシルベニア大学ウォートン校の行動科学者ケイティ・ミルクマンは、博士課程に入学して間もないころ、難度の高いコンピューター・サイエンスの授業に出席しながら、ジムに通うモチベーションを保とうと必死だった。
そんな生活の中でどうしても譲れなかったのは、のんびり本を読むひとときだったという。夜になると好きな新刊書籍を読んで過ごした。
私たちは目標達成のためには娯楽は禁物と考えがちだが、もしネットフリックスを観なかったら果たして生産性がアップするだろうか。趣味を味方につける方法はないだろうか――と考えたミルクマンは、読書を楽しむ欲求を生産性アップにつなげることを模索した。
ミルクマンは、ユニークな科学者だ。その独創性の一部は必然性から生まれたものだ。自分自身の人生(そして数え切れないほど多くの人々の人生)に伴う困難をどう乗り越えればいいか、彼女は常に模索している。
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