根っからの面倒くさがり屋も成功「すごい習慣化」 「大切だけど退屈」なことが先延ばしにつながる

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あるとき、私たちは会う約束をしていた。2人ともその後にすぐ用事があることが判明したことで、彼女は、用事の10分前に電話で話をしようと提案してきた。

「そうすれば時間をムダにせず、本題に入ることができるでしょう」

彼女はいつもこんなふうにユニークな考え方をする。

「ながら運動」のほうが効果は倍増する

「楽しいことと楽しくないことを同時に行う」というのも彼女のアイデアだ。

「ジムで運動しながら小説を1章分だけ読もう」

「ペディキュアをしながら勉強しよう」

彼女が「ご褒美とのカップリング」と名づけたこの戦略は、面倒やストレスの原因になりそうなことをかたづけるにはぴったりの方法だ。

この戦略は他にも効果があることがわかっている。たとえばペンシルベニア大学の学生を対象に行った実験がある。ミルクマンの研究チームは大学のキャンパス内にあるジムと提携し、秋学期が始まると、学生を誘い運動をさせた。

学生を3つのグループに分け、1つ目のグループには運動だけに専念させた。2つ目のグループには娯楽を提供し、楽しみながら運動をさせた。ここでの娯楽は研究チームが用意したオーディオブックを学生のiPodにダウンロードしたもので、学生たちはそれを聴きながら運動した。3つ目のグループには少々過酷な手段をとった。2つ目のグループと同様、オーディオブックを聴かせながら運動をさせたのだが、オーディオブックがダウンロードされているのはジムが所有するiPodなので、学生たちはジムに来ないとオーディオブックの続きが聴けないというカラクリになっている。

その結果、最初の数週間で見た場合、3つ目のグループは1つ目のグループ、つまり運動のみに従事したグループと比較すると、運動量が51%増加した。2番目のグループは運動量が29%増加した。

24時間営業のジムでも実験を行った。4週間の介入期間とその後の約4カ月にわたる期間中、利用者に無料のオーディオブックを提供したところ、ジムに通う頻度が上昇した。

ミルクマンいわく、「ご褒美とのカップリング」のよさは、気分次第でご褒美を変更できることだという。本が好きなら、数週間ごとに別の本に替えるのもいいし、本でなくてもいい。

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