根っからの面倒くさがり屋も成功「すごい習慣化」 「大切だけど退屈」なことが先延ばしにつながる

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「気晴らし没頭法」が「ご褒美とのカップリング」と異なるのは、退屈なタスクとペアで行う行為は「少しだけおもしろいもの」でなければならないということだ。

一石二鳥ばかり狙うと楽しみが奪われる

より複雑な気晴らし、たとえばスマホアプリの難しい単語ゲームをやりながら歯を磨いたりすると、夢中になってしまい、歯を磨くのを早々にやめてしまう可能性がある。

もう1つ重要な違いがある。「ご褒美とのカップリング」は(ジム通いなどの)行動を始めるのには役立つが、「気晴らし没頭法」はタスクを習慣づけるのに効き目がある。

この戦略は会社でも応用できる。リーバーマンも提案しているが、従業員に手洗いの習慣を定着させたかったら、トイレの鏡に電光掲示板などを設置し、毎日のニュース記事を配信すればいい。オーディオブックやポッドキャスト、あるいは好きなアーティストの新譜を聴けば、退屈なタスクもはかどるのではないだろうか。好きなことと嫌いなことの組み合わせは、歯磨きから税金納付、掃除にいたるまで、さまざまな場面で効果を発揮する。

ただし、気をつけておきたいことがある。一石二鳥ばかりを狙っていると、本当に好きな趣味を純粋に味わえない可能性がある。楽しいこととあまり楽しくないことは、必ずしも同時に行う必要はない。ときにはおもしろい本に没入したり、ドラマの新シリーズを夢中で観たり、エステサロンに行ったりする「だけ」の時間も必要だ。

こういった方法は、場合によっては極端に走る可能性もある。たとえば最近、中国のマクドナルドの店内の写真が公開され、話題になった。客がエアロバイクで運動しながらビッグマックを食べている写真だ。これはコメディアンのミッチ・ヘッドバーグがジョークにした「悪を善でカバーする」行為から逸脱していると思う。とはいえ「やりたいこと」と「やるべきこと」の組み合わせは、なりたい自分に成長する一助になるかもしれない。

ハル・ハーシュフィールド UCLAアンダーソン・スクール・オブ・マネジメント教授

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Hal Hershfield

マーケティング/行動意志決定/心理学が専門。「未来の自己」についての研究で受賞歴多数。『ニューヨーク・タイムズ』『ウォール・ストリート・ジャーナル』『ワシントン・ポスト』といった著名媒体で大きく取り上げられ、プルデンシャル・ファイナンシャル、消費者金融保護局、メリルリンチなど多くの企業・組織においてコンサルタントを務める。「幸福を最大化しつつ、人々を“今の自分”から“未来の自分”へと成長させるにはどうすればいいか」が研究命題である。

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