宮中の「ぞっとするいじめ」裏にある"女房の対立" 皮肉交じりの贈り物を受け取った左京の君

舞姫たちの姿に驚く紫式部
中宮彰子に仕えた紫式部は、寛弘5年(1008年)11月18日朝、内裏に帰られた彰子が、父・藤原道長から贈られた贈り物をゆっくりとご覧になられたと、日記に記しています。道長からの贈り物は、一対の手箱、古今集・後撰集・拾遺集といった歌集でした。
それから2日後の11月20日には、内裏に五節の舞(宮廷で女性が演じる舞。大嘗会や新嘗会の後で行われる豊明節会で披露した)で舞う舞姫が参入しました。
今年は五節の舞までに時間の余裕があり、舞姫たちは張り合っているという噂があると、紫式部は日記に記しています。
中宮御座所の向かいにある東の立蔀(たてじとみ:ついたてのようなもの)にびっしりと並べられた灯火のなかを、舞姫たちは歩いてやって来ました。
昼よりも明るく、顔姿がしっかりと見える状態で歩く舞姫たちに、紫式部は(なんと平然としたことか)と驚いています。
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