「自分で本を選べない大人」は、なぜ増えたか 書店を「楽しみとスリルの現場」にするために
こうした方法は無駄がないのかもしれないが、自分で知識を発見する楽しさがない。何よりも、批判精神がはぐくまれない。ある一定の思考の型にたいして、反対する立場の思考や情報に触れることなく、学習が進んでいってしまう。
恐るべき楽しみに満ちた「発見現場」
本を選ぶというのは宝探しだ。はずれもあるし、難しすぎたということもある。しかし、目次をじっくり見て、その本を吟味するという行為そのものが、その本の著者の思考や知識のフレームワークを見通すことである。
「ああ、これは私の言いたいことを知識で裏付けてくれている」と思うにしても、「全く知らないことだから知りたい」と思うにしても、「あれ、これは自分が学んだこととはどうもまったく違うことを言っているぞ、なんだ?」と思うにしても、自分を大いに刺激してくれることでもある。
ネット書店でも同じだけれど、書店や図書館というのは恐るべき楽しみに満ちた発見現場なのである。順番に課題をクリアしてポイントをかせぐ、ということだけにはない楽しみとスリルがそこにはある。
みなさん、まず表紙を見ましょう。目次をにらみましょう。そこから自分の頭のなかで著者の思考を再現して組み立てなおしましょう。それで本をハントしましょう。これは本当にわくわくする冒険です。
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