かえって体力消耗?酷暑の食事•入浴の落とし穴 しばらく続く暑さを乗り切るための漢方の知恵

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まずは食養生です。食べる内容も大事ですが、食べる量も大切です。

筆者は薬局を営んでいますが、当院に来られる方を見ていると、夏バテしないように、熱中症にならないようにと、食べすぎている方が多いです。

夏は冬ほど体温を上げる必要がないので、基礎代謝量が下がり、体は省エネ状態になっています。このような場合は食欲が少し落ちるのがふつうなのですが、エアコンの効いた部屋だと食欲が維持されたままになり、ガッツリと食事をしてしまいがちです。

その結果、栄養過多になり、余った栄養を体外に排出するために下痢をしやすくなったり、反対に余った栄養が体に蓄積することで、夏やせどころか夏太りになったりするのです。

夏太りでは胃腸に不要なものがたまったままになるので、体に熱がこもりやすく、余計に暑さを感じます。また、体が重だるく、疲れやすくもなります。

「お腹がすいていないのに食べる」はNG

こういう症状があったら、まずは朝食を見直してください。

起きたばかりでそれほど空腹でもないのに、朝食に結構な量を食べている方が多くいらっしゃいます。

理想的な食事は、朝と夜は軽め、昼に多め。「昼になってもお腹がすかない」と言う方に何を食べているか聞いてみると、パンにコーヒー、バナナ、ヨーグルト、卵……と、けっこうな量を召し上がっています。意外と、胃腸の調子が思わしくない方にかぎって、食べすぎていることが多いのです。

暑い時期の朝食は、お粥がおすすめです。『養生訓』でも「1日のどこか1食をお粥にすると、胃腸の負担が減り、調子が良くなる」と書かれています。梅干し入りのお粥は適度な塩分があるため、脱水予防にもなります。

朝食を見直せたら、昼食の摂り方も変えてみましょう。

リモートワークなどで自宅にいる方によく見られるのは、昼はパンや麺類で軽くすませ、夜はいろいろ作ってたくさん食べるというパターンです。

しかし、麺類やパンが中心のランチだと糖質が多く、昼食後は眠くだるくなるうえ、夕方ごろに血糖値が急激に下がるので、無性に甘いものが食べたくなってしまいます(これも夏太りにつながります)。

昼は、肉や魚を中心とした定食をしっかり食べて、夜は軽くすませます。昼食をしっかりとると夕方に空腹にならず、おやつを食べなくても夕食まで過ごせますし、万が一昼食を食べすぎても、夕食で調節することができます。

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