かえって体力消耗?酷暑の食事•入浴の落とし穴 しばらく続く暑さを乗り切るための漢方の知恵

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仕事などで夕食が遅くなる場合(具体的には夜8時以降)は、夕方に主食のおにぎりやサンドイッチなどを食べ、遅い時間の食事は汁物だけにする「分食」をするとよいでしょう。

夕食に食べすぎると、質の良い睡眠を得ることができません。寝ている間に食べたものの消化でエネルギーを使ってしまい、疲労物質や老廃物を処理することができないからです。

とにかく、寝るときに胃腸の中にどっさり食べたものが詰まっている状態を避け、すっきりした状態で就寝するのが望ましいです。

続いて、夏バテしない食べ方のポイントです。

まず、熱い食べ物を汗をかきながら食べるのを好む方がいますが、熱々のものは熱が体にこもるのでよくありません。反対に、冷たい飲食物も消化に負担がかかるので、おすすめできません。

一番よくないのは、熱いものと冷たいものを同時にとること。例えば「熱々のラーメンや辛いカレー+氷水などの飲み物」の組み合わせです。両方の刺激がダブルで胃腸に負担をかけてしまいます。なるべく体温に近い温度の飲食物を選びましょう。

「熱い湯で汗をかく」もおすすめできない

食事の次は、夏バテを防ぐ入浴法です。

『養生訓』では、過度な入浴によって汗が吹き出て、毛穴から気が漏れることを戒めています。まず見直したいのは、お湯の設定温度です。

夏でも冬と同じ設定温度で入っている方が多くて驚きますが、40〜42℃の熱い風呂に入っている方に話を聞くと、入浴後は汗が止まらず、必ず冷たい飲み物をとっています。

お風呂上がりの冷えたビールや牛乳を飲むのが習慣になっている人は、お湯の温度を今一度見直してみるといいかもしれません。理想は36~38℃です。

熱すぎる湯の影響は、睡眠にも及びます。

寝付くときにも体の中の深部体温が下がりきらないので、質の良い睡眠を得ることができず、寝苦しさで睡眠不足や疲労の原因を作ってしまいます。かといって、シャワーだけですますと、下半身に水がたまりっぱなしになり、むくみや冷えがとれません。

夏の入浴は、36~38℃ぐらいの湯に10分ぐらい浸かる。こうすると発汗することなく、日中に冷房で冷えた下半身もほどよく温まります。そして、入浴後の1時間〜1時間半後位に就寝するのが理想的です。

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