夕食会場では、リゾナーレ八ヶ岳総支配人の長屋晃史氏による「星野リゾートのおもてなし」のレクチャーが行われた。
現場スタッフを含めて全員が経営情報を共有していること、客の生の声をどれだけ重視しているか、具体的な数値で示されていく。
「よかった程度の感想ではリピート率は高くない。とってもよかったという感想になって、リピート率がぐんとはねあがる。したがって中途半端なサービスでは意味がない」ことを長屋氏は強調していた。
メイクによって印象は変えられる
2日目に行われたワークショップでは、「行列ができる郵便局で、待ちたくない人のイライラ解消術」「手紙を書かなくなってしまった人の面倒くさいを解消」といったお題が各チームに与えられ、みなでアイデアを出し、アウトプットとしてまとめ、プレゼンをするという流れで行われた。プレゼンでは女性ならではの視点から生まれたさまざまなアイデアが披露され、「職場で早速取り入れたい」との声が上がった。こうした研修での成果を受けて、8月から日本郵便では情報共有を進めるため社内SNSを導入することになった。一木女性活躍室長は「彼女たちから出てきたアイデアや意見をどんどん現場に反映させたい」と期待を寄せる。
最後のプログラムがメイク講座と印象分析だ。実は、初日の顔合わせのときにチームメンバーの印象を記入したことが、自分が他人からどう思われているかがわかる仕掛けとなっていた。郵便局長や管理職としてふさわしい姿、印象はどのようなものなのかを考えながら、資生堂のビューティーカウンセラーに、自分にあったカラーの選びかたからメイクのコツを丁寧に教わっていく。ある参加者は、「私の第一印象はソフトで、自分ではクールだと思っていたので驚きました。化粧っ気がないから幼く見えたのかもしれません。ところが、メイク講座で化粧をした後の印象はエレガントに変わったので、すごく参考になりました」とうれしそうに話していた。
女性管理職を増やすことは、後輩の女性たちのロールモデルを増やすことにつながる。一木室長は、いろいろなタイプの管理職を増やしたいと語る。「あとに続く女性たちが、自分にもできるかなという人を見つけてほしい」からだ。そのためにも、40~50代の女性管理職が果たす役割は大きい。
管理職になりたいと手を挙げる女性が少ないというのは、日本企業でよく聞かれる話だ。管理職候補となる人材採用に積極的に取り組んでこなかったツケもあるが、いまさらそれを言っても始まらない。これからは、両立支援の制度や周囲の理解を促す風土づくりだけでなく、こういった研修を通じてキャリア形成に向けて女性のやる気を引き出すことや、リーダーシップを発揮する機会を与え続けることが何より大切ではないだろうか。
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