どうだろう。馬を部下に置き換えれば、まさにリーダーとしての自分がどういう姿なのかがわかる。馬とのかかわり方を、対人関係に置き換えて考えられるのが、この研修のポイントだ。
「馬は群れを作って優れたリーダーについていくが、従うべき指示とそうでない指示を選んで行動する特性がある。リーダーであるかそうでないかは、馬には関係ないし、指令を拒否することは簡単にできる。人間の気持ちを瞬時に読み取るシックスセンス(第六感)を持っているのです」
そんなインストラクターの話に、全員が引き込まれていくーー。参加者の感想やインストラクターに聞いても、状況判断や観察力、声掛けなどのコミュニケーションより、プレッシャーを与えるなど、馬を叱ることを苦手とする人が多かった。終了後のアンケートでも、「管理職として足りなかったのは叱るべきタイミングと判断力」との声があったが、これはまさに女性管理職の多くが直面する“課題”といえるのではないか。
自分の体は自分しかケアできない
参加者は管理職として忙しい毎日を送っている。40代ともなると体に無理が利かなくなる。だからこそ、もっと自分の体を大切にしようというメッセージも、今回のプログラムには込められていた。
「ふだん男性ばかりの職場で働いている人が多いので、自分の体のことを考える余裕がないのでしょう。自分のことは自分でケアをしないといい仕事はできない。疲れたままだと頭もぼやけてくるし、ひらめきもない。自分のための時間を持つことを伝えたい」と語るのは、星野リゾート経営企画室でスパ事業を手掛ける渡邉径子氏。渡邉氏が姿勢改善プログラム、ヘルスセミナー、印象分析を担当した。
姿勢改善プログラムは、2人1組になってお互いの姿勢をチェックすることから始まった。よい姿勢とはどういうものか、どんな歩きかたを身に付けたらいいのかを実践して確認していく。「体は動かさないと筋肉が衰えていく。職場でも低稼働のところには人員も割かれないしエネルギーが足りなくなりますよね。体も同じです。低稼働の筋肉にはエネルギーが回らないのでますます衰えてしまいます」と説明しながら、ストレッチや体操を次々紹介していく渡邉氏。多くの参加者が、思いのほかハードな内容に日ごろの運動不足を痛感していた。
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