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高をくくっていないか「巨大地震」への財政の備え 復旧・復興の国債増発のため平時にすべきこと

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  • 土居 丈朗 慶應義塾大学 経済学部教授
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債務残高の増加額だけだと、災害直前のGDPの約10%程度だが、災害が生じるとGDPも落ち込むから、対GDP比でみるとさらに大きく上昇することになる。

他方で、巨大災害発生後の復旧・復興によって、経済活動が活性化されてGDPが大きく増えて、増税しなくても税収が多く入って政府債務対GDP比が低下に転じるということはあっただろうか。

残念ながら、わが国では阪神・淡路大震災や東日本大震災の後でもそうしたエビデンスはない。

おまけに、わが国の政府支出の規模は、復旧・復興の事業が終われば不要となるから、その分だけ縮小するかと思いきや、さまざまな要因で巨大災害発生前の水準には戻らず、むしろさらに拡大することが常態化している。今般のコロナ禍でも、コロナ対策が終わっても、防衛費やこども予算などで政府支出は膨張しており、縮小する様子はない。

こんな財政運営では、巨大災害が起きずとも、政府債務対GDP比は拡大の一途である。

政府がお金を借りにくくなっている

これまでは、巨大災害の直後に政府が借金をして民間を支援することができていたが、今後も必ずそのようにできるという保証はない。

まず、国債の消化は以前に比べて苦しくなっている。コロナ禍での国債消化は象徴的だった。

東洋経済オンラインの拙稿「2021年度予算、『短期国債が4割』の異常事態 短期債借り換えに奔走、コロナ対策の高い代償」でも詳述したが、コロナ禍では、新規に発行する国債(当年度の新発国債だけでなく借換債も含む)の過半は、2年以下の満期でしか発行できなかった。量的金融緩和策の下だったにもかかわらず、である。

政府はコロナ対策のため国債を大量発行しようにも、金融機関はコロナ後の先行き不安がある中で長期債を追加的に大量購入する余裕はなかったのである。

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