会社が大変な時こそ「怒り制御術」が役に立つ 今、スカイマーク社員がやっておくべきこと

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スカイマークが再生に向かううえで、社員の「意識改革」は必須です(撮影:尾形文繁)

前回は女子サッカーW杯で大活躍だった「なでしこジャパン」から、チームを準優勝に導いたエース・大儀見優季選手が果たした「メンタル面の変革」と、チームの士気を高め続けた宮間あや主将の「ポジティブなトーク」を取り上げ、アンガーマネジメントの観点で検証しました。

さて今回は打って変わって、ビジネスに視点を移します。ANAホールディングスや投資ファンドのインテグラルをスポンサーとする再生計画案が東京地方裁判所で認可決定され、ついに再生への歩みをスタートしたスカイマークについて考えます。

実は先月末、同社の社員70名がアンガーマネジメント研修を受講しています。その研修の内容や効果を検証するとともに、逆境下に置かれたときに私たちができる振る舞いを考えてみましょう。

不安に押し潰されず、合理的な反応を

再生計画案が動き出すとはいえ、スカイマークの社員の中には、自身や会社の将来を案じ、大きな不安の中にある人が少なくないことでしょう。当連載で何度も書いていますが、この「不安」こそ、怒り(第二次感情)のもととなる「第一次感情」の代表的なものなのです。

不安にさいなまれれば、イライラのみならず、次々とマイナス思考、ネガティブな思いが脳裏をよぎります。今回のケースで考えると、「給料を減らされたらどうしよう」「俺なんか真っ先に退職勧奨されるかもしれない」「支援先からの締め付けはキツくなるのかなぁ」などでしょう。

もちろん当事者でもない人間が悠長なことを申せませんが、こういった「マイナス思考」をアンガーマネジメント的思考で処理するなら、認知の「ゆがみ」を修正する必要があると言えそうです。

「給料を減らされたらどうしよう」
→ 減らされたとしても、そこが底。あとは巻き返して上げるだけ!……と、プラス面をイメージ。
「俺なんか真っ先に退職勧奨されそうだ」
→ そんなことは誰が決めたのか。大げさに考える必要はない!……と、勝手な決めつけはやめる。
「支援先からの締め付けはキツくなるのかなぁ」
→ やってみなければわからない。今から大げさにおびえても意味はない!……と、過度な一般化をしない。

 

それから浅田真央選手の復帰に関する記事でも紹介したように、「ワーストシナリオ」と「ハッピーシナリオ」をダブルで想定しておくことも、新たな決意を固めるためのモチベーションとなりそうです。

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