スカイマーク社員にとっての「ワーストシナリオ」を考えてみると、上述した「減給」などが挙げられますが、一方の「ハッピーシナリオ」は、スカイマークのサービスが受け入れられ、名実ともに日本のエアラインの「第三極」に返り咲き、そこで社員が生き生きと働けることでしょう。
ワーストシナリオとともに、対極にあるハッピーシナリオを具体的に想定し、それに備えること。これこそ、健全なモチベーションにつながる重要な作業ではないでしょうか。
また、アンガーマネジメントには、「不安ログ」というテクニックもあります。不安の正体を書くことによって「見える化」し、やはり合理的で現実的な対応をしていこうというものです。こちらもこれまでに何度か紹介していますので、ご興味のある方は過去記事をご覧ください。
どんな研修だった?
7月22日、スカイマークでアンガーマネジメントの研修が行われました。登壇したのは、日本アンガーマネジメント協会の安藤俊介代表理事です。
その頃はまだ2つの再生計画案が並立しており、そちらへの関心の高さもあってか、テレビカメラ3台に加えて複数の雑誌社の取材が入り、同日18時のTBSのニュースでも早速放映されていました。
アンガーマネジメントをスカイマークに導入する狙いは、どこにあったのでしょう? それについて人事部研修課の井上弥緑さんは、スカイマークをよりよい会社にするための「社内の環境づくり」や「社員の満足度を高めること」を挙げています。
顧客の満足度向上を図るために、まずサービス提供者である社員自身の満足度向上を目指す――。そのためにはもちろん、社内の円滑なコミュニケーションが不可欠です。怒りの感情と上手に付き合うためのアンガーマネジメントは、最適な技術論と言えるでしょう。
今回の研修は本社部門のスタッフや整備士、客室乗務員などの現場スタッフ約70人に対して行われました。実施した内容は様々で、事前に受講したアンガーマネジメント診断の結果をグループメンバーで見比べたり、自分の怒りのタイプ(強度・持続性・頻度)を数値化したりすることで、自分の怒りとの的確な向き合い方を考えました。
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