実はスカイマークは、これまで社内外のコミュニケーションに関する研修をそれほどしてこなかったとのことです。
そういえばかつて、同社機内のシートポケットには「機内での苦情は一切受け付けません」などと書かれた、顧客にやたら厳しい機内文書『サービス・コンセプト』がありましたね。「無神経」「傲慢だ」などと批判を受けた揚げ句、消費者庁の要請により回収されたのでした。
確かに同社の「安さ」や「手軽さ」を体現するためには、これらのコンセプトが必要だったのかもしれません。ですが、今後は社員の満足度を高め、顧客の満足度を高めるという新しい道を行くのですから、以前とは異なるアプローチも必要でしょう。
理想の存在を演じてみる
アンガーマネジメントには、「プレイロール」という技法があります。これは、自分が理想とする人を演じる(徹底的に真似する)ことで、自分自身も理想に近づくことを目指そうというもの。いちばんの効果は、理想とする人の性格を後天的に獲得し、自分を好きになり、自己を肯定できるようになることで、自信を持ちやすくなることです。
他社が実施しているサービスをそっくりそのまま真似るのは問題かもしれませんが、他社の成功事例を部分的に取り入れるのは、すぐにできる有効な一手ではないでしょうか。
たとえば、最近話題になっている熊本県の航空会社・天草エアラインの真心サービス(手作り機内誌、くまもんのエプロンなど)のスタンスを参考にするのは、社員満足と顧客満足を同時獲得できる方法かもしれません。
保有機が1機の会社と「第三極」とまで言われた会社を同じレベルで語るのは難しいですが、少なくともリピート率向上という点においては、天草エアラインの考え方に学べることがあるはずです。
それに、組織が逆境にさらされているときこそ、「遊び心」「楽しむ心」を用いて活性化を図るべきではないでしょうか。一部分だけでも「プレイロール」を試みてみることで、社員の皆さんの自己肯定感が劇的に変わってくるかもしれません。
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