【佳作】をあと3作品紹介しよう。
選考の不合格を伝える「お祈りメール」は、誰にとっても受け取りたくないもの。お祈りメールが来ない限りは、まだ選考に残っているという証であり、お祈りメールが来ないように、自分自身が祈っているというユーモアを交えた作品である。
「来ないで」の中には、まだ来ていないメールに対する祈りと、いま届いたメールがお祈りメールでないことを祈るという思いの両方がありそうだ。お祈りメールの多さに悩む学生たちのリアルな心情がユーモラスに表現され、採用通知を祈りながら待つ学生の心情が切実に描かれている。
本当は、「お祈りメールが来ないこと」よりも、「合格メールが早く来ること」のほうがストレートな正直な気持ちなのだろうが、あえて「祈る・祈り」を掛け合わせた点が見事である。
教授の顔色をうかがう就活生
エントリーシートや面接などの事前選考を何とか潜り抜け、ようやく念願の第一志望の企業のインターンシップに参加できることが決まったものの、そのためには研究室をその期間は休む必要が出てくる。
そのことを研究室の教授になかなか言い出せない緊張感が詠まれている。教授の顔色を何度もうかがう姿に、理系大学院生ならではの共感を呼ぶ。
インターンシップなどの就職活動のために、授業や研究の邪魔をされることをよく思わないタイプの教授だったりすると、なおさら休むことを言い出しにくいだろう。学業(教授?)とインターンシップ(就活)の両立に悩む理系学生のリアルな心情が伝わる面白い作品だ。
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