対面形式の最終面接が終わった後、第一志望の企業から内々定をその場で直接伝えられ、喜びを隠しきれずに綻ぶ口元をお辞儀で隠したという瞬間が見事に描かれている。
3年生の夏季インターンシップから始まったであろう、1年近くに及ぶ長い就職活動の終わりを迎えた達成感と、喜びがひしひしと伝わる作品で、読者もきっと思わず笑顔になることだろう。
感動的な場面が見事に表現されており、作者の言葉に表しきれない喜びが伝わってくる。内々定の瞬間の幸福感が溢れた一句であるが、口元が綻んでいる間は頭を上げることはできないはず。どれだけの時間、お辞儀を続けていたのか気になるところでもある。とにかく、内々定、おめでとう!!
友人を信じすぎてはダメ?
ここからは、【佳作】に入選した作品を抜粋して紹介しよう。
【優秀賞】を受賞した作者が別の作品で【佳作】にも入選。「就活川柳・短歌」で1人の作者が複数の入選をするのは今回が初めてだ。
就職活動なんて「早めにやらんで大丈夫」と言っていた友人が、実は早くから就活を始めていて、なおかつ早期内定を得ていたという驚きと焦りが伝わる作品。友人の言葉に安心しきっていた自分への反省と友人の意外な行動への驚きが見事に表現されている。
この句を読んで、学生時代の定期テスト前になると「まったく勉強していない」と言いながら、後日、答案用紙が返ってきてみるとかなりの高得点をマークしている友人のことを思い出した。実は、勉強していないどころか、何日も前から睡眠時間を惜しんで勉強していたのだ。
この手の話を信じると、結局のところ馬鹿を見るのは自分だということ。友人の言葉を信じた自分への戒めとも取れる、就活の計画性の大切さを感じさせる一句とも言える。
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