グループ面接で頻繁に見かけるのが、「サークル長」や「バイトリーダー」をアピールする学生だ。まるで「サークル長の大安売り」のような状況に、本来はたった1社の応募者にこんなにサークル長がいるはずはなく、何割かの学生は就活用に“話を盛っている”はずだと訝る作者の心情が、「どんだけおんねん」というワードでユーモラスに表現されている。
「どんだけおんねん」というフレーズから関西の学生の作品かと思いきや、愛知県の学生とわかり、なおのことワードの選択が素晴らしい。
早期化に焦る就活生
グループ面接の同じ組に何人もサークル長がいて、華々しい実績をアピールされ始めると気後れしてしまうかもしれないが、そんなことは気にする必要はない。数多くの学生を面接してきた採用担当者であれば、“話を盛っている”学生はすぐに見抜けるはずだ。
近年の就職活動は、大学3年時のインターンシップから始まることが多い。その開催時期が早まる傾向にあり、早い学生であれば3年の6月以前から企業との接触が始まっている。
一方、政府主導の就活ルールでは、大学4年の6月から面接選考が解禁となっており、大半の企業はルールなど無視してそれ以前から選考を開始しているものの、一部の大手企業は就活ルール通り6月から面接選考を開始する。
つまり、4年生がまだ面接選考を受けている時期に、すでに次の3年生の就職活動は始まっているわけだ。思うように就職活動が進まない場合には、後輩である3年生のほうが先に内定を獲得することだってあり得る。
就活の早期化に伴い、自分の就活が終わる前に後輩たちも早く動き出すことで焦りを感じた作者の心情が、「迫りくる」というワードから切実に伝わってくる作品だ。早期化が学生間の競争をさらに激化させる様子と、先輩としてのプライドと焦燥感が交錯する心情が巧みに表現されている。
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