トランプ再選なら窮地「ウクライナ」の行く末 日本のウクライナ政策も再考が必要か

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また、そもそもNATO自体がアメリカに依存した同盟であり、盟主アメリカが消極的になってしまえば、自然と勢いを失ってしまうだろう。このように、他国に依存している国は、最終的には自国の利益を最後まで追求することができない。その意味で、孤立してもなお自国の目的を追求し続けられる自立主権国家は、アメリカとロシアくらいのものではないだろうか。

分断されているという点ではアメリカも同様だ。こうした内的分断、内的脆弱性はロシアと強力に対抗することを難しくしている。ロシアは、アメリカやヨーロッパがロシアに対して内的に結束しないように巧みに行動している。

ウクライナ内部でも世論は変化している

今後、「ウクライナには勝ち目がない。分離した地域なしでやっていけばいいじゃないか。これ以上の支援は無意味だ」という雰囲気がいっそう強まっていくだろう。これは、ウクライナ内部でも同様である。

キエフ社会学研究所による世論調査は、ロシアに領土的譲歩をすることもやむをえないと考えるウクライナ国民の割合が大きく増加していることを示している。そのように答える人の割合は、2023年5月には8~10%しかいなかったが、2024年5月には、32%まで増加しているというのだ。

また、ウクライナ国民の多くは、ウクライナ政府よりも、EUやアメリカを信頼しているという結果が出ている。6月に民主イニシアティブ基金により行われた世論調査によれば、EUを信頼すると答えた人の割合は60%、アメリカを信頼すると答えた人の割合は37%、ウクライナ政府を信頼すると答えた人の割合は31%であった。

ちなみにウクライナ政府を信頼しないと答えた人の割合が49%に上っている。政府が国民の支持を得るには、まず欧米諸国のウクライナ支援をアピールしなければならないという特有の事情が如実に表れている。これは、国家として極めて異常な状況である。

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