「トランプもハリスも無理」若いアメリカ人の本音 若者の2大政党に対する「不満」と「悲観」

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
首都ワシントンで開かれた反イスラエルデモに参加したサイモン・サンディーンさんは、現時点ではハリス氏に投票しようと考えている(写真:筆者撮影)

「ブラック・ライブズ・マター(BLM=黒人の命は大切だ)」、地球の気候変動デモ、そしてイスラエルと軍事組織ハマスの戦争に反対する大学のデモーー。アメリカの最近の市民運動は、若い人が常に強力にリードしてきた。

2020年にはバイデン氏を大統領に当選させるマシーンとなり、2022年中間選挙では共和党優勢と予想された「レッド・ウェーブ(赤は共和党の党色)」を阻んだ。2024年大統領選挙では、どんな動きをするのだろうか。声を拾ってみた。

「2大政党制がぬくぬくと長く続きすぎた」

バイデン大統領(81)が大統領選撤退を発表し、指名したカマラ・ハリス副大統領(59)が、トランプ前大統領(78)と対決する。バイデンvs.トランプでは「高齢対決」が問題視された。しかし、若者の中にはハリス氏が候補になっても、民主・共和の2大政党いずれかの候補を選ぶことに躊躇する「ダブルヘイター」がいる。

ニューヨークでバーテンダーをしながら音楽活動をするブレンダン・マッケンナ氏(24)は、「2大政党制が、ぬくぬくと長く続きすぎた」と言う。

「労働者階級を欺き、言葉を尽くしてきちんとした説明もせず、お高くとまった貴族の家がお互いに歪み合っているだけにみえる。結局、金持ちとウォール街の救済ばかりしてきた」

東部マサチューセッツ州で大学を出たものの、定職はなく、生活は苦しい。若い人の間では「悲観」「不信」が広がっているとマッケンナ氏。2022年、ボストンで行われた大規模デモに弟と参加した。連邦最高裁判所が、アメリカで長年、女性の人工妊娠中絶権は合憲だとしてきた1973年の「ロー対ウェイド」判決を覆す判断を下した。その判断に反対するデモだった。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事