しかし、マッケンナ氏が目にしたのは、警察が平和なデモ参加者を蹴散らし、逮捕者まで出る光景だった。上空を警察のヘリが行き来し、州兵までが姿を現した。彼にとっては、戦場みたいだった。
「コロンビア大でも今年、警察が100人もの学生を逮捕した。こんな過激な仕打ちを受けると、不満や悲観的な考えが募り、前向きな姿勢で政治を信じる気にはならなくなる」
「選挙なんてジョーク」
7月24日(米東部時間)、ワシントンであった反イスラエルデモで出会った若い人にも話を聞いた。訪米中のネタニヤフ・イスラエル首相が同日、連邦議会議事堂の上下院合同会議で演説するのに合わせて、停戦を訴え、アメリカがイスラエルを支援しているのを批判するデモだ。
中西部ケンタッキー州から1人で車を運転してきたというアイリスさん(26)は、議事堂方向を見ながら、有名なドーム屋根から炎が出ている油絵を描いていた。腐敗した議会が、内側から崩壊して、人々が見守る中で炎を吹き出す光景だという。
「選挙なんてジョーク。結局、金持ちや企業が莫大な政治献金をして、当選させたい人を選ぶだけ。ハリスにしても、バイデンと同じでイスラエルに武器を売るのをやめる訳ではないのだから」
アートの教師になりたくて大学に進学したものの、経済的に厳しく中退した。教師になったところで、給料は十分ではないと言う。本屋で働きながら、腐敗した政府を宇宙に放り出すという小説を書いている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら