「夜、トイレのため目が覚める」が超キケンな実態 夜間頻尿が大病のシグナルになっているかも
からだにいいからと野菜をたくさん食べていると、その野菜の水分の影響で夜間頻尿になってしまうこともあります。
こういった日常の行動と夜間頻尿を結びつけて考えることはほぼないので、よほど主治医とコミュニケーションがとれていなければ、なかなか気がつかないものです。
それに加えて、夜間頻尿は泌尿器科の問題と考え、すぐに泌尿器科に紹介状を書いてしまう医師も多いものです。それにより、夜間多尿の原因となっている重大な病気を見落としてしまう危険もあります。
尿意のために夜中に起きると、暗いなか寝起きのおぼつかない足でトイレまで歩くことになりますが、それで転倒して骨折してしまう事故は珍しくありません。
大腿骨を折ってしまうとしばらく寝たきりになり、そのまま運動機能も落ちてしまう――高齢者ではよくあることですが、その原因も夜間頻尿がからんでくるのです。夜間頻尿が原因となって骨折し、運動機能にまで影響する可能性があるわけです。
このように、夜間頻尿は様々な病気・事故と関係が深い、私たちにとって身近な症状と言えます。たとえばその症状は、前立腺肥大、肥満、睡眠時無呼吸症候群などと関係が深いことがが一般に知られています。
ただし前立腺肥大は、以前は夜間頻尿と結びつけられていましたが、実際にはそれほど関係は強くないようです。睡眠時無呼吸症候群の患者さんが、CPAPという治療を続けていたら、一番はっきりしたのは、夜間頻尿が治ったことだと言っていました。
歳のせいと諦めずに、主治医としっかり話し合いを
いずれにしても、夜間頻尿というのは、単に年齢的な変化ということではなく、さまざまな病気が原因になっている可能性があるわけです。
さらにその原因となる病気は、泌尿器科の病気だけでなく、内科系の病気や治療薬も関係してきます。各診療科にまたがる病気であるために、そこが診断を難しくしてしまうのです。
やはりこういうときに役立つのは、長年患者さんを診てきた主治医の役割が大きいように思います。少なくとも歳のせいと諦めずに、主治医としっかり話し合いをして、原因を考えていくことが大切でしょう。
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