「夜、トイレのため目が覚める」が超キケンな実態 夜間頻尿が大病のシグナルになっているかも

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2)降圧薬で夜間頻尿

これは、内科医でも見落としている場合が多いことです。

血圧を下げるために処方される降圧薬としてよく使われているのはカルシウム拮抗薬なのですが、これは夜間頻尿を引き起こします。

カルシウム拮抗薬を飲んでいる場合、その14%に下肢にむくみが出ると言われています。そして横になって寝ていると、むくみとして脚にたまっていた水分が心臓に戻ってくるので、夜間多尿の原因になるのです。

またカルシウム拮抗薬は、それ自体が腎臓の血流量を増やすということもあり、夜間多尿の原因となります。

このことを内科医が意識していないことが多いのです。当然患者さんは、降圧薬で夜間多尿になると思っていないので、原因がわからないままになってしまいます。カルシウム拮抗薬を使うと夜間頻尿になる場合があると、主治医はきちんと説明すべきです。

またそれとは逆ですが、高血圧症で使われてきたサイアザイド系利尿薬は、夜間の多尿を改善することがわかっています。

3)糖尿病の治療薬が夜間多尿に

最近糖尿病の治療薬として、SGLT2阻害薬が使われるようになりました。この薬は尿中に糖分を排泄して血糖値を下げようとする薬です。この効能によって多尿がもたらされ、夜間頻尿の原因となります。このことを主治医は患者さんに十分説明しなければいけません。

心不全に気づくシグナルのひとつにも

4)高血圧症と心不全

高血圧症の方の体内では、塩分を排泄しようという働きが機能しています。結果として尿量を増やして塩分を排出しようとするので、夜間頻尿につながります。前述したように降圧剤も種類によっては夜間頻尿になるので、高血圧症の方で夜間頻尿に悩まされている方の場合は、その症状自体と薬の効果という2つの要素が関係している場合もあります。

心不全では、日中は脚に水がたまってむくみとなっていますが、夜横に寝ていると水分は心臓に集まってきて、この水を排出するために夜間頻尿となります。

心不全はその予兆が早期発見できない病気ですが、夜間の多尿が心不全に気づくためのシグナルのひとつだと理解しておく必要があります。

5)不眠症と夜間頻尿

眠れないと、それだけで夜間にトイレに立つ回数も増えると言います。ちょっとした尿意で目が覚めてしまい、それが不眠の原因ともなっているというケースも少なくありません。なので、ちょっと意外なのですが、睡眠薬をきちんと飲むことで、夜間の多少が治ってしまう場合もあります。

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