トッププロの使用率9割、日本製ゴルフ道具が熱い 「電線のフジクラ」がシャフトを作り始めた理由
具体的には、藤倉コンポジット(以下、フジクラ)、三菱ケミカル、グラファイトデザインの3社で、世界でも圧倒的に強い。
アメリカPGA(プロゴルフ協会)のツアーで、ゴルフ用品のシェアを調査しているダレルサーベイによると、2023年のマスターズのドライバーのシャフトのシェアは、フジクラが39.1%、三菱ケミカルが27.6%、グラファイトデザインが14.9%と、日本メーカー3社で80%以上を占めている。
ゴルフクラブは、ヘッド(ボールを打つ部分)とシャフト(棒の部分)にわかれる。アマチュアの場合は両者がセットになっているものを使うことが多いが、プロの場合は、自分に合ったシャフトに交換して使うケースが、圧倒的に多い。
世界ランキングNO.1選手もフジクラ製
例えば、現在、ゴルフの世界ランキングNO.1のスコッティ・シェフラー(アメリカ)や、6月の全米女子オープン2位の渋野日向子、全米女子プロ2位タイでパリ五輪の代表選手の山下美夢有、7月のアムンディ・エビアン選手権で日本女子4人目のメジャー優勝を飾った古江彩佳も、フジクラ製のシャフトを使っている。
ではなぜ、シャフトは日本製がいいのか。その理由は、繊細な製造法、まさに“職人の技”が生かされているからだ。あの細い棒の中に信じられないような技やテクノロジーが詰め込まれている。
今、使われているカーボンシャフトは、カーボン繊維シート(カーボン繊維に樹脂をコーティングしてシート状にしたもの)を鉄芯に巻き、焼成して鉄芯を抜いたあと、研磨、塗装してできあがる。
使用するカーボン繊維シートは、形状や長さ、スペックが違うものを20枚近く組み合わせる。この巻くという作業には製作者の熟練度や器用さが必要で、日本の職人の技術力が生かされている。
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