
紫式部の夫は「痔」の症状から2カ月後に死去
何気ない記述が、後から振り返った時に重要な意味を持つ。「日記」をつけたことがある人は、そんな経験が一度くらいはあるかもしれない。
正暦2(991)年から寛弘8(1011)年 の分が伝存している、 藤原行成の日記『権記』にも、そんな意義のある記述が少なくない。長保3 (1001)年2月5日には、こんな記載がある。
「右衛門権佐宣孝朝臣又申痔病発動之由」
右衛門権佐の藤原宣孝が、痔の病を申し出てきたという。
宮中の門を護る役所は「左衛門府」と「右衛門府」に分かれており、それぞれに「督」「佐」「大尉」「少尉」という官吏が所属する。「右衛門府」の「佐」についていた宣孝は、今では「紫式部の夫」として知られる。
大河ドラマ「光る君へ」では、佐々木蔵之介が藤原宣孝役を好演。ドラマでは睡眠中に宣孝の呼吸が止まるという、睡眠時無呼吸症候群を思わせるシーンが放送されたが、実際には痔に苦しんでいたらしい。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら