「神様」による早すぎる台湾総統選の大予測(後編) 2026年地方選でネット人気の小政党に活路は?

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ここまで六都市長選挙を概観してきたが、民衆党は影が薄い。では、議員選挙で議席を大きく伸ばせるかというとそれも簡単ではない。

県市議員選挙は中選挙区制なので第3勢力には戦いやすいように見えるが、現職が選挙区経営のネットワークを張り巡らせていて新人の参入は容易ではない。民衆党は市長選挙でも議員選挙でも精彩を欠く可能性がある。

2022年統一地方選がまさに民衆党にとって惨敗であった。今回も同じ状況になる可能性がある。前回はゼロからの出発であったのでまだよかったが、次回はどうしても今年1月の総統選挙で柯文哲氏が獲得した得票率26%が1つの目安になる。このままでは次の総統選の前に党への期待がしぼむ可能性がある。

民衆党の秘策はトップ自らが出陣か?

柯氏としてはそれを防ぎ、自分の話題を作っていく必要がある。有効なのは6都のいずれかの市長選挙に出馬することだ。台北市はすでに市長を経験しており、新北市は黄国昌氏が出馬の準備をしている。台南、高雄は入る隙間があまりない。

残るは桃園市と台中市だ。1月の選挙で柯文哲氏の得票率が6都の中で最も高かったのは桃園市の30.6%、次が台中市の30.1%である。台中市はもともと国民党と民進党が競り合ってきた激戦地なので、新規参入する柯氏にとって相性がよい。そうすると台中市が浮上する。

民衆党の存亡をかける戦いは2028年総統・立法委員選挙だ。柯氏が市長に当選できなくても、選挙戦でネット上の注目を高めて善戦し、民衆党への期待を高めることができれば成功だ。

主席自ら出陣というのは陣営の士気を高める。当選した場合は、そのまま市長を続けて総統選挙は民衆党幹部の黄国昌氏か黄珊珊氏を立てればよい。むしろ民衆党が副総統候補に回りやすくなる。可能性は低いが仮に盧秀燕・黄国昌ペアや傅崐萁・黄珊珊ペアが成立したら話題性はかなり高くなるだろう。

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