中国が悲願の「台湾統一」へ使い分ける2つの手段 軍事行動に限らず現地協力者を通じた迂回策も

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中国は悲願の「台湾統一」に向けて、さまざまな手段で台湾社会へ浸透を図っている。

台湾社会では日常空間のいたるところに、中国の影響力が現れている(写真:©Brennan O'Connor/ZUMA Wire/共同通信イメージズ)

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7月1日、創立100周年を迎えた中国共産党の記念式典で習近平総書記は「祖国統一の大業」と位置づける台湾統一を「歴史的任務」だと強調し、その実現に執着する姿勢を再度示した。
中国による統一攻勢は台湾にどのような手段で影響を及ぼし、社会に浸透しているのか。6月に日本で出版された『中国(チャイナ)ファクターの政治社会学――台湾への影響力の浸透』(白水社刊 以下、本書 )の共編者・監訳者であり、台湾経済に詳しい川上桃子・日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所地域研究センター長に、本書の解説とともに中国の影響力について聞いた。

中国ファクターのカギは「曖昧さ」

――6月に出版された本書では中国による台湾への影響力の浸透を「中国ファクター(原語:中国因素)」という視点で捉えています。「中国ファクター」とはどのようなものですか。

ひとことで言えば、中国の政治的、社会的な影響力のことだ。本書では、中国政府による団体観光ツアーの送り出し、中国企業の台湾進出、民間宗教交流、台湾の歴史教科書やマスメディア報道といった多様な事例を取り上げ、中国の影響力が台湾社会のさまざまな領域で生じていることを可視化し、さらにその背景を分析している。

台湾社会のいたるところに現れているにもかかわらず、「中国ファクター」には独特の見えにくさ、捉えがたさがある。その理由のひとつは、台湾側に現地協力者が存在することだ。

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