中国は悲願の「台湾統一」に向けて、さまざまな手段で台湾社会へ浸透を図っている。

中国ファクターのカギは「曖昧さ」
――6月に出版された本書では中国による台湾への影響力の浸透を「中国ファクター(原語:中国因素)」という視点で捉えています。「中国ファクター」とはどのようなものですか。
ひとことで言えば、中国の政治的、社会的な影響力のことだ。本書では、中国政府による団体観光ツアーの送り出し、中国企業の台湾進出、民間宗教交流、台湾の歴史教科書やマスメディア報道といった多様な事例を取り上げ、中国の影響力が台湾社会のさまざまな領域で生じていることを可視化し、さらにその背景を分析している。
台湾社会のいたるところに現れているにもかかわらず、「中国ファクター」には独特の見えにくさ、捉えがたさがある。その理由のひとつは、台湾側に現地協力者が存在することだ。
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