当分選挙がない台湾だが、2028年総統選をめぐる駆け引きは始まっている。たびたび選挙結果の予想が的中し、分析力の高さから台湾で「選挙の神様」と称される政治学者が早くも見通しを示す。
今年1月に総統・立法委員選挙を終えた台湾ではしばらく選挙がない。2年後の2026年11月に統一地方選挙、そして3年半後の2028年1月が次の総統選挙だ。台湾の選挙を予測するには、選挙戦が始まってから見るのでは遅い。選挙が終わったときから次の選挙が始まる。どういう可能性があるのか常に「頭の体操」をしておくことが必要だ。
早すぎといわれるのを承知で2028年総統選挙を想像し、誰が候補者になりそうか、どのような動きをする可能性があるのかを考えてみたい。「可能性」が見えてくると、わかりにくい台湾政局の駆け引きも視界が開けてくる。
そもそも2028年は誰が出馬するのか?
民進党は現職の頼清徳総統が再選を目指す。これはよほどの事態がなければ変わらないだろう。よほどの事態というのは頼氏の支持率が極端に低迷し、同時に選挙が行われる立法委員(国会議員)の候補者らが「これでは戦えない」と悲鳴をあげる場合だ。
仮に頼氏ではダメだとなった場合に有力なのは副総統の蕭美琴氏だ。他に外相の林佳龍氏や高雄市長の陳其邁氏らがいる。
国民党の総統候補になる可能性がある人物として台湾メディアで名前が挙がっているのは、台中市長の盧秀燕(ろ・しゅうえん)氏、台北市長の蔣万安氏、立法院長(国会議長)の韓国瑜氏、立法院国民党議員団長(院内総務)の傅崐萁(ふー・こんき)氏、党主席の朱立倫氏らである。
筆者は盧秀燕氏が最有力だと観察している。まず「ママさん市長」として売り出しに成功し、市政の評価(満意度)も高い。台中市は北部の新北市に次いで人口が多く、台湾中部の南投県や彰化県と生活圏を形成し影響力も広くにわたる。
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